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195話 ページ46

『うわっ……!!』



目の前には美しく咲く大きな花火。
それを皮切りに、次々と打ち上げが始まる。



『すごい…!』

「大体皆、下の会場で近くから見ようとするんだけど、ここはちょっと小高いし人もいないから見やすいんだ」



興奮して立ち上がり、柵の前まで行くA。

下を覗くと、出店の明かりと花火会場があり、さらに向こうには町の明かりが点々と輝く。

それらをすべて独り占めした様な光景に、Aはうっとりとしながら眺める。



『ありがとう!こんないい場所教えてくれて!』

「いえいえ」



と、新八はニコニコしながらAの隣に立つ。

二人で肩を並べ、しばし花火を楽しんだ。



ある程度打ち上がった所で、一旦花火が止まった。



『…あれ、もう、終わりかな……』



残念そうに呟くAに、一歩近づいて新八は言った。



「…Aちゃん」

『ん?』

「この間の剣道大会、来てくれてありがとう」

『えっ、あぁ、うん…』



とそこで、その日の別れ際に放った言葉を思い出す。



『……っ…』

「…僕、Aちゃんに会えて良かった。

Aちゃんが居てくれたから、いっぱい頑張れて、いっぱい楽しい思い出ができたんだ」

『………』



暗がりの中、話を続ける新八。
表情はわからないけど、自然と目が釘付けになる。



「今日も凄く楽しかった!

…でも、コレ、今日だけで終わりにしたくないんだ」



そう言って、Aの手を取り恋人繋ぎをする。



「……Aちゃん




僕は、Aちゃんが……___」





そこで、再び打ち上げ音が鳴り、最初より大きな花火が咲く。



















でもAは、光に照らされた彼の口からしっかりとその言葉を読み取れた。



















彼女はそれをしっかりと噛み締めながら、手を握り返し、ゆっくりと頷いた。

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作者名:ウミガメ | 作成日時:2021年7月23日 18時

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