【銀魂3z】平凡な日常と夏 (ページ40)

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189話ページ40

「…あぁ～！トシくんじゃん！！」

甘ったるい話し方の甲高い声が聞こえたと思ったら、Aと新八を押し退ける様に女子が割り込んで来た。

「来てるんだったら、LIME返してよ～」

派手なピンクの浴衣にバチバチに決められた髪・メイクと、落ち着いて上品なミツバとは真逆のイメージだ。

「この子、ずーっと返事待ってたんだよ？」

「そうそう、マジめっちゃ健気！」

と、一緒に来た取り巻きらしき女子も囃し立てる。

「…ねぇ、一緒に花火見ようよ！！無視してたのはそれで許してあげる！！」

何とも身勝手な、上から目線な言い方で土方に詰め寄る女。ミツバをいないものの様に扱っているように見える。

表情が暗くなって行くミツバに、Aは苛立ちを感じる。

何でZ3のファンはこんなにモラルが無いんだ、と一言言ってやろうと息をはいたとき。

「…誰お前」

「…え」

迷惑そうにボソッと呟く土方。

「…悪ぃけど、本当に必要な相手以外のLIMEは通知切ってるから」

「…っ、ひ、ひどいっ…！1年のとき、同じ委員会で交換したじゃんっ！」

悲劇のヒロインの様に目を潤ませる女と、それを慰める取り巻き。

「あぁ…委員会な。でも今は別に必要ねぇだろ」

「…っ…！！」

「つーか、もう連絡したり付きまとうのは止めてくれ。迷惑」

「つっ、付きまとうなんて…私は、好きでっ…」

ウルウルと上目遣いをする女に舌打ちをし、土方はミツバの肩を抱く。

「惚れた相手ならもういるんだ。無駄なんだよ。
…さっさと散れ」

「…十四郎さん…！」

頬を染めるミツバに、女達は悔しそうな表情を浮かべ、去っていった。

『…大丈夫、ミツバちゃん！？』

「えぇ…十四郎さんが、守ってくれたから」

「これで、2学期からは穏やかに過ごせそうですね」

「…だと、いいんだがな」

穏やかな空気が流れ、4人は微笑み合った。