174話 ページ25
各々が反応し、阿鼻叫喚となっているのを他所に、葵は続ける
「落ち着いてからちゃんと話す予定だったみたいだが、こうなったら仕方ねぇ」
「し、志村、先輩と、Aさんが…!?」
「あぁ」
『ちょっ、え、葵…!?』
「いい加減諦めな。お前の出る幕は最初から無かったんだ」
「……っ…!」
信じられない、といった顔で俯く田中。
そこで葵はAの手を引き、立ち上がらせる。
「A、気分悪そうだから一回連れてくわ。
あとはよろしく」
「わ、分かったでござる」
『ちょっ…!!』
「じゃあな!」
と、そのままAを引っ張って出口の方へ。
扉の前の新八も連れて、葵はプレハブ小屋を後にした。
「…ぷはーっ!!まじ暑っちーー!!自販機神!!」
「『言ってる場合か!!!』」
プレハブ小屋から少し離れた所の中庭。
自販機の横にあるベンチに腰掛け、満足げにジュースを飲み干す葵。
そんな葵の目の前に仁王立ちになって睨むのは、Aと新八だ。
『さっきの!どういうわけ!?』
「いきなり連れて来られて、もう、訳が分からないよ!!」
「説明も何も…助けてあげたんじゃん?」
『にしても突飛過ぎるでしょ!!
…というか、何で新八はここに来てたの?』
「僕は、帰りのHRが終わった後、葵君に呼ばれて…」
と、新八はここに至るまでの経緯を話し出した。
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作者名:ウミガメ | 作成日時:2021年7月23日 18時