168話 ページ19
「わざわざ自分の帰路を外れて帰るってことは、何かしら用があるってことだ。かつ、場所が住宅地であることと、さっきの似蔵の部活での様子。
こいつらを合わせると…何らかの手段でAが一人暮らししてる情報を入手し、特定しようとしている…って取れねぇか?」
『たっ、確かに…』
名探偵ばりに推理を披露する高杉に面食らいつつも、感心する一同。
「晋介の推理通りの可能性が高いな。
ま、日によって向かう地域はバラバラでござったから、特定は全然出来て居なさそうでござるよ」
どうやら高杉の推理は概ね当たっていると受け取って良いようだ。
「にしてもすごい調べたなぁ…1週間でこれって、そこらの探偵や興信所より優秀じゃね?」
「ま、アタシら高杉一派に掛かりゃ、これぐらい当然ッス!!」
「…おや、そういえば、武市は何か無かったでござるか?お主は塩ストの自宅周辺の担当だったでござろう」
「あぁ…それがですね…物凄い事が分かったんです」
神妙な面持ちで呟く武市に、注目が一気に集まる。
「…実は…」
『…実は…?』
「…彼、田中翔太には物凄いポテンシャルを秘めた妹が居たんです。それも二人。一人は中学2年生、もう一人は小学5年生。名前は_」
「「待てコラァァァ!!」」
そこでまた子と葵の蹴りが武市にクリーンヒット。
「アンタッ、アタシらがクソ暑い中調べてた間、何関係無いことやってンスか!?」
「てめっ、重大発表かと思って損しただろうが!ロリコン!」
と、部屋の隅で2人武市をゲシゲシ蹴っている。まあ無理もない。
そんな3人を尻目に、高杉は話を戻した。
「…まぁとにかく、相手の素性は分かった。どうするかはお前が決めな」
『そう、だね。皆、本当にありがとう』
「…どうする?Aちゃん」
『……うーん…じゃあ…__』
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作者名:ウミガメ | 作成日時:2021年7月23日 18時