Spotlight. (ページ3)

今日:14 hit、昨日:16 hit、合計:44,196 hit

. ページ3

鶴房「今日のAめっちゃ可愛いやん」
「Aちゃんはいつも可愛いよ」
鶴房「出た、翔也の全肯定！あいつが坊主になっても可愛いって言いそうやな」
「Aちゃんが坊主か…たしかに可愛いかも」
鶴房「…マジかよ」

Aちゃんと1枚目のチェキを撮り終わった汐恩が再び僕の後ろに並んで、僕たちはまた会話をしながら並ぶ。

鶴房「サヤカのとこ見てみ、祥生めっちゃデレデレしてるやん」
「…本当だ(笑)」

隣の列ではチェキを撮りながらサヤカちゃんとお話する祥生がいた。

鶴房「…にしても今日は列長そうやな。そんな枚数撮られへんかぁ」

汐恩の手元には未使用のチェキ券の束が。
対バンライブは、ワンマンより集客は少ないものの普段ワンマンには来ないような他現場のヲタクも物販には参加するし、SPIRITSの物販は大盛況だった。
いつも見掛ける顔もちらほら、他のアイドルのTシャツを着たヲタクやキョロキョロと周りの様子を伺っているヲタクもいて、様々だった。

鶴房「A列むっちゃ長いし、」

少し機嫌悪そうに後ろを振り返りながら言う汐恩。先程まで持っていた最後尾札はあっという間に十数人後ろまでいっている。

隣のサヤカちゃん、彩未ちゃんの列に比べて人が集まるAちゃんの列はいつもこうで、大体途中から汐恩の機嫌は悪くなる。
そしてそれを宥めるのもお決まりの流れだ。

「まぁまぁ、Aちゃん人気だもん仕方ないよ」
鶴房「…ん」

こういう時の汐恩は苦手だ。
どうせ翔也にはこの気持ちは分からないでしょ、といった顔をする。

…確かに僕には汐恩の気持ちは分かんないよ。

『翔也くんおかえり！』
「…！ありがとう、ツーショお願いします！」
『はーい(笑)』

1枚目はピンチェキ、2枚目はツーチェキというのが僕の中のお決まりのルーティン。

『翔也くんのほっぺびよーんしていい？』
「え！？いいけど…」
『やったあ(笑)』

翔也くんのほっぺスベスベだから触ってみたくて〜、と笑うAちゃん。
そんなふうに思われてたの、営業だとしても恥ずかしいなぁ。

スタッフさんはいチーズ、の掛け声と共に出てきたチェキフィルム。それを受け取ったAちゃんは先程同様、器用にサインを書きながら話し始めた。

Aちゃんに触られたほっぺは少しだけ熱を持っているような気がした。