魔女と我々だ！！【d!】 (ページ5)

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「堪忍な、初っ端から銃口突き付けてもうて」

「お気になさらず」

あの後、幹部全員の自己紹介を受け、自室となろう部屋に今案内されている。
隣を歩いているのはトントンさん。髪の毛をぴっちりと分けた、長身でガタイのいい人だ。

ぺたりぺたりと冷たい廊下を抜け、もふもふした絨毯の上を歩く。階段をあがったり、別棟に向かって行ったりとこの城は構造が複雑だった。

「…冷たいやろ」

「え」

「気が利かへんかったわ。裸足で階段も廊下も堪えるやんな。肩の傷も処置されてないから痛いやろ」

「…まぁ、はい」

よくそこまで気が回る。通りがけのメイドを捕まえて、先程の事を伝えていた。私を1目した彼女は足早にその場を去っていく。申し訳ない。

グルッペンフューラー総統の合図にもいち早く気が付き、私のこの格好による弊害や怪我にも気が付いた。観察眼がよほど優れている。腰掛けていた位置的にも総統の補佐やそこらへんなのかもしれない。
ガタイも勿論良いが、腕っぷしで幹部の地位まで上り詰めただけではないのだろう。

此処やで、と廊下の突き当たりの部屋の前で彼は足を止めた。つられたように私も足を止める。

「凄い…広い」

扉を開いた先は、広い広い部屋が広がっていた。アンティークな調度品。大きな釜、多くの本(恐らく魔導書の類もある)、良い藁で編んでいそうな箒。父と母と暮らしていた時の家よりも豪華な部屋だった。
ちらりと目の端に捉えたトントンさんは、広いか？とでも言うように片眉を上げて小首を傾げていた。