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No side
「この三毛猫に俺の名前を付けているんだな！」
「う、うううるさいうるさいうるさい！たまたまだ！たまたまこの三毛猫の目があんたと同じ色してたから付けたとかそんなんだし、他に名前思い付かなかったからだし！…てかいつからそこに居た‼」
「しのぶと話し始めるところからだな！」
「…それを人は最初から聞いていた、と言うのだよ」
愛猫の名前を元彼の名前にしていることを当の本人にバレたAは、顔を真っ赤にして手をばたばたと動かした。
目がぐるぐると泳ぎ回って、背中に汗をだらだらかいている。
その一方、煉獄はAを見つめて笑うばかりだ。彼女の隣に腰掛けて、空を見つめる。
言い訳も効かないこの状況に 不貞腐れたように、彼女は頬杖をついた。
「それじゃあ聞いてたでしょ…。私があんたを振った理由も」
「うむ、聞いていた。Aの家が、俺を縛り付けるから…だろ？」
「うん。ごめんね、何も言わずに振って」
二人が別れたのは、今から約一年半程前。ある日唐突にAが煉獄を振ったのだ。
面と向かって、 別れたい と言った訳でもなく、唯だ彼に手紙を書いただけ。 それも一文、“別れましょう”だけだった。さらにその翌日には鬼殺隊も抜けた。完全に彼の前から姿を消したのだ。
「あの時は、別れた理由も書いていなかったからかなり動揺したな」
「…ごめんなさい。本当に申し訳ないと思ってる。あんたが私に費やした時間は長かったからね。婚約者を断ってまで付き合って貰っていたのに…。本当にごめんなさい」
「良い。また君と会えた、それだけでも幸せな事だ。俺に…Aしてやれることがあれば良いんだが」
煉獄は、何時ものような快活な笑顔ではなく、しょんぼりとした顔でAの頭を撫でた。
抵抗もせず、されるがままに撫でられたまま、ぽつりぽつりと独り言のようにAは語り出す。
「私の家さ、華族なの。徳川家の良いところの部下だったみたいでさ、昔は家禄で遊んで暮らしてたらしいわ。…でも、幸せは長く続かない訳。それで、祖父の代から段々とお金が無くなってきた」
没落貴族みたいなもんよ、と眉を下げて笑う。
「お金が無くなっても、華族の名を捨てたくないから必死で色んなところから借金もした。母さんなんか身体を売ったわ。祖父や父は全く働かなかったくせに」
煉獄は、目を伏せるAの顔を見た。悲しそうな顔だった。苦しそうな顔だった。見ている自分も、苦しかった。
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橘欅(プロフ) - 柚葉さん» 此方こそ読んでいただき感無量です！拙い文章ですが私なりに煉獄さんのかっこよさを出したつもりの作品でした！本当にありがとうございます！ (2021年4月16日 22時) (
レス) id: 008152d6a1 (このIDを非表示/違反報告)
柚葉(プロフ) - やっぱり煉獄さんはカッコいい！！素敵な作品を読ませていただきました！ありがとうございました！！！ (2021年4月15日 8時) (レス) id: 33c3d87eb8 (このIDを非表示/違反報告)
めい(プロフ) - コメント失礼します。私名前がメイなんですよ。それで名前ひらがなで読んでったらめいめいメイになりました！面白すぎません笑？ (2020年3月18日 22時) (レス) id: f101cde2b9 (このIDを非表示/違反報告)
橘欅(プロフ) - あおさん» ありがとうございます！最近寒いですね〜、私の地方にも白鳥が訪れて来ました。最後まで御愛読ありがとうございました！次回作も是非目を通して下さいね！ (2019年11月12日 22時) (レス) id: 4f6b87549d (このIDを非表示/違反報告)
あお(プロフ) - 橘欅さん» 楽しみに待っていますね！無理はなさらずに、最近は寒いので体を冷やさないようにしてくださいね〜 (2019年11月11日 2時) (レス) id: 03cb9b6635 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：橘欅 | 作成日時：2019年10月27日 1時
