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十八話 ページ20

「僕は……思わない、です」








語尾になるにつれ小さくなる声。
だがハッキリとそう言った。
そして言葉を続ける彼。








「確かに、分かりずらい見た目……かもしれない。ですが、僕からすればAさんは……立派な女性です。自分の体を…大事にして下さい」









早口で、こちらを見ること無く言われた言葉。
″体を大事に″だなんて、嘘でも初めて言われた言葉だ。
何と返答すればいいのか、すぐに脳が処理できずイソップさんを見ていれば、彼の方が焦った表情になってしまう。









「っ、す、すみませんっ。Aさんの職業を否定するつもりでは無く、あの……そのっ」









『あ、いえ、怒っている訳ではありませんから。ただ、そのような言葉を初めてもらったため、言葉が見つからなかったんです』









焦って言葉を発するイソップさんに説明をし微笑む。
彼が納得するのを確認し、自身のコップの水を飲み干す。






そろそろ部屋へ戻ろうか…。







時計を見れば随分と時間が経ってしまっていたため、部屋に戻ろうと立ち上がる。
しかし、食事をしていないせいか貧血気味なのか、立った瞬間目の前が白くなりその場に座り込んでしまった。









「だ、大丈夫ですかっ」








『……大丈夫、です。ただの立ちくらみですから』









寄ってきてくれたイソップさんに御礼を言い、症状が治まったのを確認し再び立ち上がる。
コップを片付けようと持てば、制止された。









「僕が片付けておきますから……Aさんは休んで下さい」









困った表情ばかりの彼。



そうだ、自分が困らせているんだ。



さっさと去ってしまわなければ迷惑であろう。









『すみません。ではお先に失礼します』









食堂の扉に手をかけた時、大事なことを言い忘れていたことを思い出し振り返る。









『そういえば……ゲーム中、イソップさんが助けてくれたと聞きました。ありがとうございました』









一度頭を下げれば今度こそ食堂を後にする。
疲れていた割には平然と笑みを作れたのではないだろうか。
勝手に震えだす左手を抑えながら自室へと戻るのだった。

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夏目(プロフ) - 続きってないんですか? (2019年7月18日 15時) (レス) id: 6f15b8d456 (このIDを非表示/違反報告)
蜂蜜漬け(プロフ) - りょうです。さん» ありがとうございます!そう思って下さっている方が居ると知れて嬉しいです^^* 励みになります! (2019年2月28日 19時) (レス) id: 414c0d4d99 (このIDを非表示/違反報告)
りょうです。(プロフ) - 面白いです!更新頑張ってください!!待ってます!! (2019年2月23日 23時) (レス) id: f9bb48da83 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:蜂蜜漬け | 作成日時:2019年1月29日 5時

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