【underfell】願ったら叶った【トリップ】

始まり ページ2

自転車を漕いで、帰路を辿る。

時刻は夜9時過ぎ。

毎回、塾がある日は帰りが遅くなってしまう。

『ふぅ、疲れたぁ。ちょっと休憩しよっと』

ギィッとブレーキをかけた音があたりに響き渡る。

ふと、空を見上げると、明るく光る星がいくつか伺える。

ここは住宅街なので一等星ほどでないと見えない。

『……えっ』

しばらく星空を見ていると、何かが光っていった。

よくよく見ると、それは流れ星の群れ…流星群だった。

『…こんな都会でも、見れるものなのかぁ』

思わず息を呑む。

私の周りには誰もいないため、この景色はもはや私の貸切状態だ。

どうせなら、何か願ってみようか。

高校の合格祈願なども一瞬頭をよぎった。

でも、それよりも、願いたいものがあった。

両手を合わせて、ゆっくりまぶたをとじる。

願ってもどうしようもないこと。

絶対に叶いやしないこと。

そう________


　

　

　


　


　


　


　



『最推しのフェルサンに会わせてください…！！！！！』

　

　

　

　

　

まぶたの向こうで何かが光った気がした。

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