浮気とか信じらんないし【朔間 零】

23日目 ページ24

〜貴女side〜
**



私は何もわからないまま、

夕方までぼっと窓の外を見ていた。





今のところ何かが苦しいとかそういうのはないけど、

今の状態だと自分で歩けないから

病院に篭っている状態だ。





ｺﾝｺﾝｯ







「.....？」






病室の扉をノックする音が聞こえ、

最初は看護師さんかと思いきや、


ここの病院の看護師さんは躊躇いもなくこうガラッと来るから違う。





すると茶髪で可愛らしい女の子が今にも泣きそうな顔で私に近づいてきた。









「あの.....？」




私がふと声をかけると、





「私はあんずですっ.....今日は...Aちゃんに話があって来たんです.....」







「...えっとじゃあそこの椅子に座ってください...？」





あまりいい話ではない気がして

私は少しドキッとした。







「Aちゃん.....本当にごめんなさい。」





「え...？なんのこと...ですか？？」





「私が朔間さんに手を出さなければ.....こんなことにはならなかったのにｯ.....」





「うっ.....こんな風にAちゃんに沢山傷付けるはめに...」







私には何を言ってるのか分からなかったけど、




あえてあんずちゃんは言わなかったんだと思う。








寧ろ今私が思い出してもきっとあんずちゃんを許すことができないと思うから。









「ごめんなさい...！！ごめんなさい...！！！」





あんずちゃんは涙を流しながら私に謝る。






「あんずちゃん...でしたっけ...？...えっと...もういいですよ...？顔を上げてください。」







「え.....？」






起きてしまったことはしょうがないこと、



そして何よりも私の記憶がないから、

何かを伝えたくても何も伝えられない。






「こうしてあんずちゃんは涙を流しながら謝ってくれたんです...」






「だから私はもう怒ってませんよ。」







きっと今あんずちゃんを許せなかったら、






これから先。多分後悔をしそうな気がした。









「そうだ、あんずちゃんさ、今度ご飯食べに行ったり一緒に出かけたりしたいな...？」









「...！！...はいっ........本当にありがとう...ございますｯ」








「ふわぁ.....ごめんね...ちょっと眠くなってきちゃったから.....寝かせてほしいな...」






急な眠気に襲われて、



「はい...また...来ますね？......それじゃあまた...」









私は目を瞑りそのまま眠りについた。

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