私は世界一の苦労人ではないだろうか。

苦労その12 ページ14

一難去ってまた一難。

なんて言うけど、まさにその通りだと思う。

「ど、どうしようスッチ。早く見つけなきゃ‼」

「あぁ。でも今さら見つかるか？」

「うーん･･･多分？」

「この時期に入ってない奴なんて最初からその気ないぞ」

「･･･３年だったら見込みあるのいるけど」

「それじゃ意味ないだろ」

「うぐッ」

私が抱えている新しい悩み。それは、









「じゃあ、私の後釜どうすんのよー‼」

今の聖蹟サッカー部のマネージャーは私１人。

去年までは先輩もいたんだけど、当然卒業済み。

２年生はいないし、１年生も入ってくれる子はいなかった。

私がそのことで焦っていても、みんなは別に大丈夫と言ってくれる。

でも、マネージャー業というのも以外と大変なもので、それを１・２年生にさせたくない。

せっかく名門・聖蹟を選んで来てもらってるんだから。

そのためにも、できれば１年生を探さないと。

「まぁ、こういう時は同じ１年生に聞くのが筋だよね...」









ということで、外周を終えたばかりであろう１年生のところへ来た。

「ムッソリーニ、つっきーいる？」

ムッちゃんと呼ばないのは私くらい。

走り疲れた１年を前に、一丁前に先輩面してやがる。

「あ、Aさん！えっと、つっきーって･･･？」

「１年の柄本つくし君」

私が小学生の時に学校で塚本って子がいて、渾名がつっきーだった。

だから使わせて貰ったけど、その頃よく思いついたなぁ。

子供って無限の可能性秘めてるわ。

「あぁ、あいつならまだ走ってますよ」

「そうなの？」

「やる気はあるみたいなんですけど、初心者らしくて。他の１年よりブッチギリで遅いっす」

うーむ...困った。

昨日の居残りシャトランで少し話したから聞きやすいと思ったんだけど...

仕方ない。

他の子に聞こう。

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