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廉「
彼女の後を追ってきた廉くんは
私の方をちらりと見た後、
心配そうに柚愛ちゃんを見つめる。
やっぱり可愛い名前だったな。
それに、廉くんにまで大切にされてるなんて
ずるいなあ。
廉くんの頭のなかではきっと
私の言葉を聞いて
ショックを受けた柚愛ちゃんを慰める
っていうシナリオが出来てるだろうけど、
ぶっぶー。それは不正解。
「わたしは、
紫耀の友達だよ。」
笑顔で
不自然じゃないように、
そう意識したけど、ちゃんと言えたかな?
柚「わたしも!わたしも紫耀くんの友達!
てことは私とあなたも友達だね!」
よく分からない論理を組み立てる
天然な彼女に対して、
その少し後ろに立って
戸惑いを隠せないような顔の廉くん。
その瞬間、私の腕を握って
廉「お前、なに考えてんの。
あとから真実を知った柚愛を
柚愛ちゃんに聞こえないように、
鋭く冷たく言葉を吐く廉くん。
「ちがうよ。
本当に違うの。
だからもう少しだけ待って。」
残された時間はもう少ない。
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作者名:Kipi | 作成日時:2019年1月7日 9時