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風に吹かれて、落ちてきた葉っぱが、
わたしの鼻をかすめる。
木曜日は紫耀と帰る日だけど
今日、彼は横にいない。
昼休み、紫耀の教室の前を通った時、
「え、紫耀くん
今日のクラス会、来ないの？！
なんで？？」
くるりと髪の毛を巻いている可愛いあの子が
紫耀に話しかけてるのが見えた。
紫「いや、今日の放課後はダメなの。」
なんで、なんでって聞くその子に
紫耀はただ微笑んで返すだけ。
そりゃ、言いにくいよね。
好きな子に
' 彼女と帰るから '
なんて。
放課後、紫耀はちゃんと私を教室に迎えに来た。
約束に律儀だなあ、と少し嬉しくなったけど
違った。
紫耀はこれを義務だと思ってるだけだ。
だってほら、
廊下を歩く私たち2人の間には
もう1人誰かが入れそうな微妙な距離がある。
「紫耀、行っていいよ。」
いつも通りすぎる毎日に
私が少し変化球を投げてみる。
突然そう言った私に
不思議な顔して首を傾げる紫耀。
「クラスの集まりあるんでしょ？
行っていいよ。」
紫「でも、木曜日はAと帰る日で、、」
ほら、やっぱり義務化してる。
「私は大丈夫だから。
これからも、そういうの自由にしていいよ。
たまに帰れるだけで十分だから。」
紫「いや、俺は毎週一緒に帰りたいよ。
もちろん今日も。」
なかなか引き下がらない紫耀に戸惑う。
素直になって
好きな子のところに行けばいいのに。
でも、
紫耀にこういう行動させてるのも
無理して嘘を言わせてるのも
全て私の責任。
私もここで引き下がらない。
このままじゃ、
紫耀はさらに不幸への道まっしぐら。
下駄箱に着いた時、
ちょうどよく
紫耀のクラスメートが登場して
「お前、クラス会行かないってほんと？」
「平野来ないと、いまいち盛り上がらねえの。」
なんて言ってくれるから
「ううん！紫耀は行きます！」
と私が返事をして
小さい声でまた明日と紫耀に行って
家の近くの公園まで走った。
すうっと吹く冬の冷たい風が
枯葉を一枚、私の足元に運ぶ。
なにかが
終わる気がした。
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作者名：Kipi
| 作成日時：2019年1月7日 9時
