2-3 ページ13
.
盛り上がってる室内を出て
はあっと息を吐く。
やっぱりこういう場は向いてない。
未央の隣に座ったけど
騒がしい中で気づかないうちに
その場所には知らない男の子が座ってて
「どこ高？」
「ライン交換しない？」
なんて聞いてくるから、
「ごめん、お手洗い行ってくるね」
なんて、ありきたりな口実を使って逃げ出した。
鞄も持ってきたし、
未央は結局私がいなくても平気そうだし、
このまま帰ろう。
未央にはラインを送っとけば大丈夫だろう。
カラオケの通路を曲がった途端
逆側からも人が来て、
「すみませっ」
ぶつかりそうになったことを謝ろうと
顔を見上げると、
その人が廉くんだということに気づく。
驚いて言葉が途中で行き詰まった。
「あ、ごめんね、私が前見てなかった。」
なんとなく気まずくて、
急いでその場から立ち去ろうとすると、
廉「おい」
彼が、私の手を掴む。
廉「その男物の香水、
紫耀のやないやろ。」
そう言い放つ廉くんの目は
とても鋭くて恐ろしい。
香水の匂いは、
さっき隣に腰掛けてきた男の子に移されたものだろう。
確かに匂いきつかったから。
廉「お前さ、」
そう言いかけた途端、
近くの部屋から知らない人が出てきて
私たち2人を見て怪訝な顔をする。
怖い顔をした男と
それに怯えてる女。
他から見て、
温厚な状況ではないのは確かだ。
廉「チッ」
舌打ちをした廉くんは
私の手を引っ張ってカラオケの入り口の方に進む。
「え、ちょっと、」
私が声をかけても彼はきっと止まらない。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 2617人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：Kipi
| 作成日時：2019年1月7日 9時
