第53話 ページ10
Aside
『っはぁ、っっゲホッゴホッ、…う“っ…』
知らなかった、死までがこんなに辛いなんて
死なない程度に殴られて、本当にギリギリで
怖くなってきた、死ぬときはどんな感じなんだろう、と
ひたすら痛くて、もがきながら死んでしまうのか、一瞬なのか
今の私の頭はそれ以外に思考が働かなかった、もういっぱいいっぱいだ
「おいおーいwよそ見すんなよっっ!!」
『グハッッ!!』
口の中がこれでもかと鉄の味がする
コンクリートは血が滲んで私の周りが赤黒い色に染まっている
『っも…やめで…っねがぃ…』
痛すぎて、辛すぎて、もう涙すら出なかった
もう、十分でしょ…早く、早く由佳を呼んでよ…早く殺しなさいよ、、
そんな私の表情を読んだのか一人の男が奥の部屋へ入っていた
すぐに扉が開き満面の笑みの由佳がこちらに向かって歩いてきた
遂に…か、
由「もう限界?まだ何時間しか経ってないんだけど」
『っもう、いぃから、早く…』
もう何だっていいから、早く
……やっぱり私はヒロインでもなんでもなかった
だって誰も来ないじゃない…!
誰も助けに来てくれないじゃないか
みんなのあの笑顔は偽りだったのか、そうか、そうなんだ
結局私は何でもなかったのか
・
そんなことを考えている間に私の手は自由になっていた
何にも出来ないから外したんだろう
すると、遂に
由「んじゃあ、さようなら、地獄で元気でね」
由佳はそう告げて私のお腹を狙いナイフを高く上げた
私も覚悟をし目をぎゅっと瞑った
・
・
__その時だった
・
・
バンッ!!
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ずっきーにねむいふわふわ(プロフ) - 過去とバッドエンドで泣きまくりました。こんなに感動する小説初めて……。 (2022年12月24日 7時) (レス) @page28 id: f2c96b9d0d (このIDを非表示/違反報告)
天使ちゃん。(プロフ) - 占ツクで初めて泣きました... (2021年2月21日 5時) (レス) id: 9ae00b4df1 (このIDを非表示/違反報告)
リ - なんか目から何回も水が出てくるんですが何なんですかねこれ、、、、、、なんか止まらないんですけれど、、、?? (2020年10月6日 0時) (レス) id: e91b9a8a8b (このIDを非表示/違反報告)
ピピ(プロフ) - 小説で泣いたの初めてです………… (2019年12月22日 15時) (レス) id: 57f5280136 (このIDを非表示/違反報告)
かな(プロフ) - バッドエンドですごく泣きました! (2019年12月11日 0時) (レス) id: bf10033614 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:.。なな。. | 作成日時:2019年4月20日 13時