◆*Unhappy Wedding*◆【K.Ninomiya】Part5 (ページ14)

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「…どういう……意味？」

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ガタガタ、ガタガタ。

神経が狂ったように振動する。

カズは何の変わりもなく

蔑む口調と人を小バカにする目付きで

私の困惑を拡大させた。

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和「きちんと一から言わねーと分かんない？これでも簡潔に言ったつもりだったんですけど」

「っ、分かんないわよ！いきなり、自分の知らない女性と旦那が結婚するなんて…認められるわけが、」

和「『私という妻がいるのに、他のオンナと』…って？ふざけんなや」

「…カズ、…っんー…！！」

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突如、奪われた唇。

彼との距離感が急激に縮む。

舌が深く絡み合って。

歯茎から隅々まで…生々しく、荒々しいキス。

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気持ち悪い。

イヤダ。

…こんなのっ………

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ﾄﾞﾝｯ
「止めて！！」

生まれて初めての感触に

耐えきれなくなった私は

カズの胸元を力強く押し戻す。

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和「…"愛が無い婚約はしたくない"…お前が初めて俺に逆らった台詞だったっけ」

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誰？

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今、目の前にいるひとは。

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和「覚えてる？この"契約"のルール」

「…」

和「アンタが俺を好きになれなかったら、この婚約は白紙にするってアレ。

俺、結局負けちゃった。言い出しっぺのクセに(笑)」

「、か…」

和「好きなんだろ」

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和「…撫で肩のこと」

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硬直した私の身体を

カズは俊敏に

部屋のカヤ、廊下へと押し出す。

感情のない笑顔で

気持ちがこもってない声色で…

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和「安心しろ。お前との婚約も同棲も親父には一言も言ってない。証拠隠滅もご覧の通り、完璧だ」

「カズ、待って！私はっ…」

和「明日の朝にはチビどものトコへ帰れよ。田中にも荷造りを手伝ってやるように言ってある」

「、っ…」

和「色々、迷惑かけて悪かった」

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和「…今度は"愛"が有る結婚をしろよ。本当に好きな男と」

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"バイバイ"

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漆黒の夜空の下。

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私は気付いた。

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期間限定で掛けられていた

恋の魔法が解けたことに。

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…やっと巡り会えた『しあわせ』から

哀しくも、決別させられたということに。

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