3:自己紹介 ページ3
沈黙が広がる。
その沈黙を打ち破る様に。
「では、自己紹介始めましょうか」
黒髪を掻きさっき指された人が話し、立ち上がった。
「私の名前は“神野 真心”見ての通り警察官です」
真心さんは、落ち着いていた。
頬に浮かべる営業の笑みはどこか柔らかく、怪しい人ではない様に見える。
ただの偏見である事は分かっているが、信じてしまう。
僕の悪い癖だな……分かっていても治んないや。
すると、真心さんの右側の人が勢い良く立ち上がり、自信満々に名前を告げた。
「皆さん初めまして!僕の名前は“如月 翔太”です!真心先輩が大好きで、着いてきちゃいました!」
まるで『テへ☆』とでも言うように舌を出しながら緊張した空気を破滅させていく。
真心さんは微かに頬を赤らめて、翔太さんの腕を引いて、無理矢理座らせるとそっぽを向いた。
「えっと……自己紹介良いかな…?」
桃色の髪をした背の小さめな女の子?が立ち上がる。
「わた……おれの名前は“桃木 愛花”…一応、声優です」
一瞬、『わたし』と言いかけたのが気になったが、多分、男性だろう。
でもこの声どこかで聞いた事が……
自己紹介が進む。
中には寝ていた人や、話さず、文字で自己紹介をする人や、【爆睡なう】と書かれたアイマスクを付けている人。
そこに、アイツが現れた。
『ハ〜イ!そろそろ終わった?』
再びディスプレイに表れたセイヴァーの姿。
中性的な声が虚しく部屋に反響する。
誰も返事をしない。
静かにセイヴァーを睨む者もいれば。
カタカタと震える者もいた。
僕はどうなのだろうか。
胸が震えている。
胸が高鳴っている?
ゾクゾクと不気味な威圧が僕を包み、何かへと引っ張って行く。
その何かの先はどす黒く。
僕の理性が嫌ったが、僕の本能はそれに少しずつ向かっていた。
何かは分からない。
分かりたくないし、分からない方が良い。
『あ、あれ?皆冷たくない…?』
困惑した様にわたわたするセイヴァーに“白川 雅”さんが手を振る。
何してるんだ?
「ごめんね〜、ボクで良かったら仲良くしようね〜!」
場が固まった。
彼の笑みは、無邪気でありどこかひきつっていて、暗い物を感じた。
それに対してセイヴァーは。
『うん!仲良くしようね!“みーくん”!』
2人のやり取りが楽しそうで、羨ましいと感じながら。
実に滑稽で醜く、馬鹿らしい演技に見えた。
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ロリコンサンダー - アエルさん» ええ、とてもイケメンなので(?) お楽しみに!! (2019年9月12日 17時) (レス) id: 6a276d2734 (このIDを非表示/違反報告)
アエル - ロリコンサンダーさんの好きな御門兄妹が気になる!? (2019年8月28日 21時) (レス) id: b84ab15f5b (このIDを非表示/違反報告)
ロリコンサンダー - ぜにがみさん» ありがとうございます!決してふざけてはいませんよ〜?(棒)頑張って更新していきますので、応援宜しくお願い致します!! (2019年7月23日 18時) (レス) id: 6a276d2734 (このIDを非表示/違反報告)
ぜにがみ - こっちにも来ちゃいました((めっちゃ続き気になります。忙しいと思いますが、更新頑張ってくださいね。それと、キーワードが面白いですねwそれでは。 (2019年7月23日 13時) (レス) id: 417a32e7b4 (このIDを非表示/違反報告)
ロリコンサンダー - じゃんさん» ありがとうございます!楽しみに応えられるように努力します!! (2019年7月22日 13時) (レス) id: 6a276d2734 (このIDを非表示/違反報告)
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