打ち合わせ ページ26
雅紀の体調もあれ以降、悪化する事無く、1週間おきの検診だけで済んでいる。
今日は智と一緒に出版社に打ち合わせに向かっていた。
「……どうしよう、まだ最後の作品のイメージがわかない」
雅紀はそう言いながら溜息をつき、車を駐車場に入れる。
「焦らない、焦らない……オイラなんていつも遅れてるよ、大丈夫、最終的に出来上がらなくてもなんとかなるって」
智の楽天的な考え方に、雅紀は呆れたようにクスリと笑い、車から降りた。
ビルのロビーでは、部長の菅原と担当の星川が待っており、2人が姿を現すと軽く頭を下げる。
「スガちゃん、お待たせ」
智がそう言うと、菅原はその目じりにしわのある顔をクシャリと歪ませ微笑を浮べた。
53才で今だ独身のキャリアウーマンだ。
「雅紀くん、体調は大丈夫？」
少し色の濃いピンクの唇を動かして、菅原はそう言う。
雅紀は軽く頷きながら「大丈夫です」と答えていた。
５階にあるカフェでの打ち合わせ。
テーブルの上には、会場内の写真と作品の写真が並んでいる。
「本決まりにするには、じかに会場を見てもらってからになりますが、会場の感じがイメージと合わなければ言ってください」
星川にそう聞かれ、智と雅紀は写真を食い入るように見つめた。
その様子を見ながら、菅原は何かを考えているようで、特に雅紀の方に興味があるらしい。
「雅ちゃん、此処さもうちょっと明るい感じの方が良くない？一応今回は光の差す場所ってテーマだからさ」
「う〜ん……少しストーリー性を持たせたらどうかな？……入ってからすぐに明るい感じにするんじゃなくて、徐々に光に向かう感じ……どうだろう？」
「うん、それいいね……それじゃあこっち側を少し光を落として……それで全体に濃淡をつけたいな、人生を現す感じで」
智と雅紀は楽しそうに話をしている。
打ち合わせは、２人の考えを反映させる感じで、会場の再調整をする事になった。
菅原と星川は資料を持って企画部に戻っていく。
「智くん、俺、ちょっとトイレしてくるから、此処で待ってて」
「うん、わかった」
智はコーヒを手にしながら、雅紀の後姿を見送った。
此処のトイレはカフェを出た所にある。
雅紀がトイレから出てくると、そこに菅原が待ち構えていた。
「雅紀くん、少しだけ付き合ってくれる？」
「少しだけなら」
雅紀は菅原が苦手だったが、一緒に仕事をする間柄では無下にするわけにもいかない。
ラッキーアイテム
革ベルト
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海月(プロフ) - 和春さん、そ言っていただけるとうれしいです。新作が出来たらまたよろしくです (2012年12月23日 23時) (
レス) id: 8fd3529656 (このIDを非表示/違反報告)
海月(プロフ) - ａｏｉさん、最後まで読んでくださってありがとう。また新作でもよろしくです。 (2012年12月23日 23時) (レス) id: 8fd3529656 (このIDを非表示/違反報告)
aoi(プロフ) - 大好きな風山家、終わってしまうのは悲しいですが新作も楽しみにしてますね！ (2012年12月17日 21時) (レス) id: bbbec70c02 (このIDを非表示/違反報告)
海月(プロフ) - ナミさん、ありがとうございます。そう言っていただけると書く意欲がわきますよ。新作が出来たらまたよろしくお願いします (2012年12月17日 15時) (レス) id: 8fd3529656 (このIDを非表示/違反報告)
ナミ(プロフ) - お疲れ様でした！！！素晴らしい小説ありがとうございます！！！大好きです>///<新作も楽しみにします>_<本当にありがとうございました！！！ (2012年12月17日 14時) (レス) id: a2fedde7a6 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：海月
| 作成日時：2012年10月15日 19時
