心配性の会話 ページ25
その後、雅紀に特に変わった様子は見られず、本人の口から流水の話が出てこないものを、あえて聞くのも躊躇われ、皆はただ雅紀の様子を伺っていた。
自分から腹が減ったと言いつつも、まだ体調が万全ではないのだろう、いつもより食べ方が控えめで、10時くらいには自分の部屋へと上がってしまった。
そんないつもとあまり変わらない雅紀にを見て、翔を始め、和也も潤も心配そうにしている。
智だけはそんな兄弟を見て、溜息をついていた。
「……どう思う？」
最初に誰に問うわけでもなく言葉を発したのは潤で、そんな潤の前に、智はお茶を差し出す。
「う〜ん、割り切ってるのかな……ルミちゃんにふられたって、雅紀は言っていた」
「嘘……ま〜くんが言ったんですか？」
翔の言葉に、和也は少し考え込むような素振りを見せた。
「うん、元々付き合ってもいないし、ルミちゃんには他に好きな人がいるって……まあ、確かにさ、付き合うって話をはっきり聞いたわけじゃないし、雅紀の口ぶりからこっちが勝手に付き合ってるんだろうって思ってただけだけど」
翔はそう言いながら、智が出してくれたお茶を啜る。
「だけど、手紙の何通かを読んだ限りじゃ、特別感があったけどなあ」
潤もそう言いながら、階段の上の方を見た。
「ま〜くんにとってはとても大切な人っぽかったのに……」
「ねえ、皆」
和也の言葉を遮るように、智は口を開く。
「雅ちゃんは雅ちゃんでちゃんとやるって……ルミちゃんの事は帰ってくるなら、それからの話しだし、今までだって色々とあってその都度、雅ちゃん、体調崩しちゃったりしたけど、少しそっとしておいてあげよう、きっと話してくれると思うんだ」
智はそう言って、いつものようにフワフワした笑みを浮べてお茶を飲んだ。
「まあ、それもそうだな……まーも子供じゃねえし」
潤もそう言うと、「じゃあ風呂いってくる」と言って席を立つ。
翔と和也は、顔を見合わせてお互いの心配症の顔を見ながら苦笑いを浮べて、軽く溜息をついた。
お茶の湯気がユラユラと揺れる中、テレビの音だけが響いている。
雅紀の部屋では薄暗い空間の中で、窓際に椅子を置きそこに座って、星空を見る雅紀がいた。
「……ただ、頑張る姿を見れるだけで満足してたのに、いつからだろう、こんなに苦しさを感じるようになったのは」
雅紀はそう呟き息を吐き出す。
そんな雅紀を優しく包むように月明かりが差し込んでいた。
ラッキーアイテム
革ベルト
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海月(プロフ) - 和春さん、そ言っていただけるとうれしいです。新作が出来たらまたよろしくです (2012年12月23日 23時) (
レス) id: 8fd3529656 (このIDを非表示/違反報告)
海月(プロフ) - ａｏｉさん、最後まで読んでくださってありがとう。また新作でもよろしくです。 (2012年12月23日 23時) (レス) id: 8fd3529656 (このIDを非表示/違反報告)
aoi(プロフ) - 大好きな風山家、終わってしまうのは悲しいですが新作も楽しみにしてますね！ (2012年12月17日 21時) (レス) id: bbbec70c02 (このIDを非表示/違反報告)
海月(プロフ) - ナミさん、ありがとうございます。そう言っていただけると書く意欲がわきますよ。新作が出来たらまたよろしくお願いします (2012年12月17日 15時) (レス) id: 8fd3529656 (このIDを非表示/違反報告)
ナミ(プロフ) - お疲れ様でした！！！素晴らしい小説ありがとうございます！！！大好きです>///<新作も楽しみにします>_<本当にありがとうございました！！！ (2012年12月17日 14時) (レス) id: a2fedde7a6 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：海月
| 作成日時：2012年10月15日 19時
