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†第十二話† 眠る ページ14

??「・・・・・」
「あれ、お前あの時の」

校舎から出てすぐ目の前に、プールで助けてもらったあの銀髪頭が立っていた。
こちらが話しかけても何も言わず、ただじっと校舎の方を見つめている。校舎に何かあるのか?と思い、大きく横にずれて俺も校舎の方を見たが、これといってめぼしいものは見つからなかった。

訳が分からなかったが、コイツのする事に俺は関係無いと思い直し、体を前に向けて歩く。
銀髪頭は何も言わずに横切る俺の腕を掴んで、引き留めた。

「・・・?何だよ」
??「分からない・・・けど、お前に会いに来たんだと思う」
「俺に?」

ーコイツが俺に何のようだ?

まったく訳が分からない。混乱する頭に追い討ちをかけるように銀髪頭はこちらに近づき、俺の体に体重を預けてくる。

「お、おい・・・」
??「・・・・・・・・・・・・・。」

すっと糸が切れたように全体重を俺に預けて銀髪頭は微動だにしない。
最悪の予感が胸をよぎったが、それは杞憂に終わる。どうやら眠っているらしく、規則正しい寝息が鼓膜へと流れてきた。

おいおい、これ・・・どうすんだよ。

さすがにコイツを抱えて俺の家まで帰る何てことは出来ず、起こさないようゆっくりとその場に座り込み、俺が膝枕をする形で落ち着く。
その間にも銀髪頭は起きる気配がなく、相当参ってるようだった。

さらさらと柔らかい風が俺の体をなで、通り抜けていく。
起こさないようにくるくると癖っ毛な髪を丁寧に撫でて、暇な時間を紛らわすことにした。

銀髪頭の寝顔は幼く、小学生でも通じそうなくらいだ。プールの時は怖いくらいに大人びていて、無防備な寝顔からはとても想像できないくらいに強かった覚えがある。

「お前は、一体何なんだ・・・?」

問いかけても答えが返ってくることはないが、どうしても聞きたくなってしまう。俺と似た目をして、俺以上に強いお前をもっと知りたくなってしまっていた。

??「その子はイトナというんですよ、私の飼い犬です」

†第十三話† イトナ→←†第十一話† 記憶



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一颯(プロフ) - 同性愛ものには専用のフラグを立ててください。 (2016年4月18日 3時) (レス) id: 050c8f6d1c (このIDを非表示/違反報告)
クロウサギ(プロフ) - この作品の続編見たいです!! (2015年5月18日 4時) (レス) id: 29761c99ab (このIDを非表示/違反報告)
緋腹 - この話をみてイトナ君が好きになりました!アザス!!(´∀`*) (2015年5月9日 0時) (レス) id: 5e74d9c177 (このIDを非表示/違反報告)
聖王ダークリンク - 今は………それが、お互いの為だろうからな。 (2015年4月22日 21時) (レス) id: 964e6546a5 (このIDを非表示/違反報告)
聖王ダークリンク - やはり無理か……………。いや、いいんだ。多分、最初から分かってた事だと思う……………今はまだその時じゃないってことは。あいつ自身が心を開くまでには、時間がかかると思う……………だからゆっくり待とう。 (2015年4月22日 21時) (レス) id: 964e6546a5 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:うみしお | 作成日時:2015年4月19日 21時

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