2話 ページ4
……いや待てよ?
布団を被りなおした時、私はある違和感に気付いた。
それを確かめるため、恐る恐る目を向けると……。
「ええええええええええええええ!?」
人間驚くとこんなにも大きな声が出るらしい。
「な、なんっ、なんで、手が小さ…!?」
布団を被りなおした手に違和感を覚え、目を向けると子どもの様な手になっていた。
布団を剥ぎ、足を見るとこれもまた子どもの様だった。
ベッドから飛び降り立ってみると、明らかにいつもより視点が低い。
私はどうしてしまったというのだ。
まるで、子どもに戻ったかのよう―――。
バンッ
「大丈夫ですか!?」
「きゃあああああ!?」
突然扉が開き大声で話しかけられたことにより反射的に悲鳴を上げてしまった。
「驚かせてすみません!この屋敷の者です〜!」
女の子たちが3人、私を取り囲んだ。
「どこか痛みますか?」
「いいえ特には…。あの、体が小さくなっている気がするんですけど…」
「ああ、そのことですね。詳しくは原因を特定できてないんですけど…」
「鬼の血鬼術によるものか、その鬼の血を傷口から取り込んでしまったことによる体質の変化のどちらかと思われます」
「お、鬼?」
「はっ、もしかして鬼をご存知ない…?では一から説明しないとですね!」
この三人はなほちゃん、すみちゃん、キヨちゃんといった。
なんとこの世界には鬼という元は人間だった存在がいるらしい。
私が住んでいた小さな村はそれに襲われ、鬼殺隊という組織の隊員が助けてくれたらしい。
私は少し大きな傷を負ったが、体が小さくなる変化の後、二日もかからず治ったという。
血鬼術というのは人を食べて強くなった鬼が使えるようになる術らしい。
しかし隊員の報告ではその鬼が血鬼術を使うところを見なかったらしい。
.
「俺が到着した時にはすでに彼女は怪我を負っていましたが側にいた鬼が喰う様子もなく、彼女は一人身内の元で泣いていました。そして俺が鬼を斬った時に飛び散った血が傷口にかかり、彼女は呻きながら気を失いました。蝶屋敷へ運んでいる間に体がどんどん小さくなりました」
「なるほどね…。だとすると彼女は稀血で、しかも特異体質かもしれない」
「まだ血鬼術の線も捨てきれませんが…、その可能性が高いと思われます」
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作者名:うみりな* | 作者ホームページ:http://blogs.yahoo.co.jp/haruhi_0204mind
作成日時:2019年10月29日 18時