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「あれ、何だ…？」
練習から戻ると遠目に食堂の手前で何かが転がっているのを小暮が見つけた。よく目を凝らせばそれが人であることを認知し、先頭を歩いていた数名がそれにむかって駆け寄る。
「誰か倒れてる！兎だ！」
キャプテンの声に驚き、その場にいた皆が慌てて兎の元に駆け寄り彼を囲んだ。後から遅れてやってきた不動が何事かと見れば、彼らの隙間に倒れ込む兎の姿を見つける。
「大丈夫か！兎！」
「円堂、あまり揺らすな。この暑さだ、熱中症で倒れたのかもしれない。」
「きゅ、救急車ッス！おれ監督呼んでくるッス！」
彼らが口々に足をあげろだとか頭じゃなかったかだとか騒ぎだした雑音の中から、
「とりあえず、その暑そうなパーカー脱がした方がいいんじゃないか？」
と言った綱海の台詞が耳に入り、不動はとっさに声を荒げた。
「兎に触るんじゃねえ！」
その声に面々が振り返れば意外な剣幕でこちらにむかってくる不動の姿。それがあまりにも予想外で一同は圧倒される。他のメンバーを邪魔だと乱暴に押し退けると兎のパーカーに手をかけかけていた綱海の手を乱暴に払いのけた。
「ってえ、どうしたんだよ。」
「いいから触るな。お前らはあっち行ってろ。」
そう言ったところで簡単に引き下がるメンバーでもなかった。円堂も不思議そうに不動を伺っている。
「不動、どうしたんだよいきなり。」
このままでは埒があかないと不動は考えを巡らせた。どうにかこいつらを誤魔化してこの場から離れてもらう方法を考えねばと思った。
まだ核心的な証拠を掴んだわけではないけれど、(─とはいえほとんど確証に近いのだけれど─)万が一本当に兎が女だったら。皆の前で身ぐるみ剥がすわけにはいかない。その一心だった。
「…こいつの体には人に見られたくない傷があるんだよ、だから俺に任せてお前らは先に行ってろ。」
そう、嘘を絞り出した。
一瞬沈黙が走る中、円堂が一番に真剣な面持ちで、
「そうだったのか。」
とバカ正直にも不動を信じた。
「皆、ここは不動に任せよう。」
そのキャプテンの一言でメンバーは心配げに兎を見ながらも、ぞろぞろ食堂へ足を運び始める。
「任せたぞ、不動。でも助けが必要になったら遠慮しないですぐ呼んでくれ。」
円堂はそう言い残して自らも食堂へ入っていく。最後に残った鬼道は兎の苦しげな姿とそんな兎を庇うように抱える不動を少しの間怪訝に見つめ、
だが何も言わずに円堂のあとについた。
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19 - 星猫さん» 優しい…ありがとうございます。イナズマイレブンシリーズはアレスとオリオンも含めて全部みました！同じlevel5作品だと妖怪ウォッチも好きです(^_^) (2021年9月8日 12時) (
レス) id: 4071e07d98 (このIDを非表示/違反報告)
星猫 - もう一つのｐｃがしました。また高評価しました！知ってるアニメは何ですか？ (2021年9月8日 11時) (レス) id: 7d3fe1e696 (このIDを非表示/違反報告)
19 - 星猫さん» ありがとうございます！！嬉しい、、自給自足ですが励みになりました。今後も1日1更新、書き殴り続けますので暇つぶしにでも見ていただければ^^ (2021年9月7日 22時) (レス) id: 39de8a0c35 (このIDを非表示/違反報告)
星猫 - 初めまして！とっても素敵ですね！高評価しました！ (2021年9月7日 20時) (レス) id: f84c743866 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：19 | 作成日時：2021年8月30日 21時
