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「本当に。光が帰ってきてくれて心からホッとしてる。あいつが隣にいることが当たり前で、当たり前すぎて、俺ちゃんとあいつのこと大事にしてやれてたかなってこの10ヶ月すっげー考えた。原因はわからないって言われてるけどストレスも原因の一つって聞いて、俺何で光が無理してることに気が付いてやれなかったんだろうって。1番近くで光のこと見ていたはずなのにって。だから支えたくて、何回も会いたいって言ったのにあいつ真面目だから一回しか会ってくれないしよ。療養期間中にそんなに沢山メンバーと会うわけにいかないだろだって。でも結局心配なふりして俺が会いたかっただけなんだよな。何で俺もっとちゃんと素直にそのこと光に伝えて来なかったんだろうって思ったよ。だから雄也にも後悔してほしくないから言ってんの。伊野尾も溜め込むとこあるから。変なとこ捻くれてるし。雄也が素直になってやんないと、あいつはもっと素直になれなくて捻くれてストレス溜めていきそうでさ。」
「薮君。。。ありがとう。肝に銘じます。」
「ふは。雄也からそんな言葉が出ると思わなかったわ。」
「薮君俺のこと馬鹿にしてるでしょ？」
「いやいや。そんなことないよ。それじゃあお先に。」
そう言って薮君は帰って行った。俺の中で薮くんの言葉が重い。確かに俺が伊野尾君の誘いを断った時の平気なふりしてるけど寂しそうな顔とか、本当は甘えたいのに我慢してるのとか、実は気が付いていた。でも、自分の中でこの特別な感情にどう蹴りをつけていいかわからなくて戸惑ってしまって。結局大切な人を傷つけてしまっていたのかもしれない。だったら変に構わずにほっとけよって思ってもほっとけなくて。結局伊野尾君の寂しそうな声とか、傷ついた顔とか見ると側に行ってしまう。
「俺って中途半端な奴だな。」
それが余計に伊野尾君を傷つけているような気がした。
だったらいっそ、伊野尾君は特別な存在だから大切にしようと覚悟を決めたほうがお互いの為になるんじゃないか、薮君と話していてそう思った。
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作者名：choco | 作成日時：2023年1月25日 11時
