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メンバーはみんな伊野尾君のことをミステリアスな理解しにくい存在みたいにいうけど、俺はどのメンバーよりも伊野尾君のことを分かってるって思ってる。いや、1番の理解者でありたいと思ってる。中々人に甘えられなくて、自分の中に溜め込んでしまう伊野尾君を甘やかしてやりたいとも思ってる。
そんな風に思ってたからか、仲良くなりすぎてしまって、自分でも驚くくらいの特別な感情が湧いてしまって、そんな自分の気持ちに戸惑って、ちょっとだけ距離をとってしまっていた時期がある。
その時伊野尾君にご飯に誘われても断ってしまったこともあって、誘われなくなってしまった。だけど最近では伊野尾君がバイクの免許を取って、番組の企画でもツーリングに行って、それがめちゃくちゃ楽しかったからまた行きたいなって思ってしまっている。距離を置いたところで伊野尾君を特別大切に思う気持ちは変わらないんだってことがわかった。なんか無駄な悪あがきだったなと思う。
「ふ、何考えごとしてんだよ。お前にとって伊野尾はメンバーの中でも特に特別だろ？」
「え？別に、そんなこと、、、。」
「うわ。今の伊野尾が聞いたら傷つくぞ。」
「ちょっ、薮君。」
「言わねぇよ。でも同期なのに俺とはサシで飯も食ったことない伊野尾が、お前とはプラベで飯どころか旅行にまで一緒に行って、一時期はお前の友達の誕生日会にまで顔出させてたんだろ。それ以外にも、伊野尾が寒いって言ったらうわぎ貸すわ、貸す上着なかったらわざわざ買ってやるわ、伊野尾になんかあったら黙って隣に行ってやったり、そこまでやっておいてお前特別な感情ないっていうのは伊野尾に失礼だぞ。」
と言っていたずらに笑う。
「お前はメンバー全員に優しいけど、伊野尾には特別優しいなんてことメンバーみんな知ってるよ。そしてそれが周りに中々本音を出せなくて甘えられない伊野尾の支えにどれだけなってるかっていうのも。ってか伊野尾を支えることでお前自身も支えられてるんじゃねぇーの？」
「え？」
「そういう存在大事にしろよ。もしそれを大事にせずに失った時のショックは計り知れないぞ。俺が言うと説得力あるだろ？」
「あ、いや、でも光君帰ってこれたし。」
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作者名：choco | 作成日時：2023年1月25日 11時
