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庭は庭師のエマちゃんが管理していることもあり、とても綺麗。



二人掛け用の木のベンチに腰掛けると、草木のいい香りの乗った風が吹いた。



さっきのこともあり、しばらく沈黙が続いていたが、彼が話し始めた。



「ここでの生活は慣れましたか?」



そういえばここに着てもう1か月近く経つ。



彼と出会ったのはほんの数日前だったが。



「だいぶ、慣れた気がします。一か月近く経ったのに、最近までイソップ君とは全然接点がなくて。」



「確かに。プライベートではあまり自分は外に出ないので。ゲームで一緒にならないと話す機会がなかったですね。」



「食事の時に見かけた気がしますが、食堂で食べないで部屋で食べてます?」



「そうですね、あまり生きている人と話すのが得意ではなくて。ああいう場に行ってしまえば、エリスさんやウッズさんは話しかけてきてくれるので。それにうまく答えられなくて。」



少し恥じるように、申し訳そうな顔をさせてしまった。



きっと彼にも彼なりの理由があるのだ。深く聞くのはよくないかもしれない。



「でも、Aさんが食堂で食べていらっしゃるなら一緒に食べたいです。」



「え・・・一緒に食べてくれるんですか?」



こんなことを言ってくれるなら、私は少し気に入られているんだという期待をしてもいいのだろうか。



「Aさんがいいのであれば。」



「嬉しいです、とっても。」



彼といると甘い空気が流れてしまう。私だけ感じているなら恥ずかしい。



またしばらくの沈黙。



もっと仲良くなりたい、欲を出せば彼の特別になりたかった。



「あの・・・」



「なんですか?」



「また一緒に、カスタムとかで、あの、デートとか・・・していただけませんか?」



勇気を振り絞って、彼が私に今日のことをデートと言ってくれたから。



私も今日のことをデートだと思いたかった。



今日だけでこの幸せな時間を終わらせたくない、そんな気持ちだけだった。



「もちろん、いいですよ。今度はお弁当持って行ってみるのとか楽しそうですね。」



彼はとても嬉しそうな顔をしてくれた。



その後も、ベンチに座りながら他愛のない話をして。



幸せな時間を過ごした。

近づく→←廊下



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うみぶどー(プロフ) - アリスさん» ありがとうございますううううううううううううううううううううう!!!!!!!!!!!!もちろんお友達大歓迎です!更新止まってしまってすみません、これから頑張っていくので見てくれたらうれしいです! (2020年3月24日 23時) (レス) id: 426f5043c0 (このIDを非表示/違反報告)
アリス(プロフ) - うみぶどーさん!イソップ君がァァァァァァァ!すいません鼻血が…大好きです!お友達になりませんk((殴嫌ですねすいません(._.)嫌じゃなかったら言ってください←絶対ないぞby神!これからも更新頑張ってください!応援してます! (2020年2月11日 9時) (レス) id: e1cd416983 (このIDを非表示/違反報告)
うみぶどー(プロフ) - ポカりんごさん» アッ嬉しい…(´;ω;`) (2020年1月19日 17時) (レス) id: 053ea15088 (このIDを非表示/違反報告)
ポカりんご - アッ好き… (2020年1月19日 17時) (レス) id: 54880d9a97 (このIDを非表示/違反報告)
うみぶどー(プロフ) - カゲロウ(白ヰ迷ヰ戌)さん» そうなんですね!ご指摘ありがとうございます!!これからも更新していきますので、どうぞよろしくお願い致します。 (2020年1月16日 22時) (レス) id: 0a904b5b09 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:うみぶどー | 作成日時:2020年1月16日 0時

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