クリスマスと君【第五人格】

最悪なゲーム ページ11

ゲームが始まり、運良く私が一番最初に見つかった。



内心怖くないわけではないけど、チェイスが苦手な二人、大切なイソップ君にはなるべくさせたくなかった。



だから相手がダメージを与えられるかもしれない、と思う絶妙な距離感でチェイスを続けた。




そうしたら私からハンターが離れないから、諦めないで追ってくれるから。




この前みたいに恐怖をもらうようなヘマは絶対しない。



ハンターのピエロは他のハンターに比べて短気で、一人に執着する気がする




だからこそ、最初に見つけた私をずっと追いかけてくれた。



暗号機残り二個になったところで、一発もらってしまう。



痛い。



背中がじんじんと痛んだ。



「でもあと二つで5台分チェイスだ。もうちょっともたせる、絶対に。」



そして暗号機がすべて上がった瞬間、私は2発目をくらった。



息も切れ、身体の痛みもあったけど、3人は逃げられる。



椅子に縛り付けられて、「早く逃げて！」と信号を送った。



ゲートに向かう3人から「ありがとう」が聞こえた。



ほっとして。







次の瞬間痛み。



「ゔっ・・・」



また痛み。



何かと思って見てみると、ピエロが椅子に縛りつけられている私を殴っている。



よほど5台分チェイスにイライラしているのだろうか



無抵抗の私を何度も殴り付けてきた。



痛い、痛い、痛い。



内在人格、受難で今の状況はみんなに見えているはず。



イソップ君の影がゲートからこちらに走り出していた。



ピエロの目は赤く揺れている。引き留めるだ。



彼が来ても救助は難しいことは目に見えていた。



私は彼に向けて、遠のく意識の中、



「早く逃げて！」



と何度も信号を送る。



彼の足が止まり、ゲートに引き返したところで意識を手放した。

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