【65】後日 ページ15
No side
ライブが終わったピースは観客の居なくなった客席に一人腰掛け、一息ついていた。
感慨深いものがあった。
初めて夏祭りというこれを企画し、それに協力してくれた人達がいる。
そう思うと彼は立ち上がりステージに頭を下げた。
『ありがとう、ございました』
一人では決してたどり着けない世界だった。
それは米津玄師やまふまふ、そらるなどを初めとする人がいなければ、世界に足を踏み入れることすらなかったかもしれなかったものだ。
Aは片付けが進んでいくステージを眺めた。
もうこの時間は戻ってこない。
｢A｣
少し驚きながらも後ろを振り返ると
そこには、まふまふが居た。
Aは微笑むまふまふに思いっきり抱きついた。
まふまふは｢うわっ｣とびっくりして声を上げたが、よろめきながらも支え切ると彼の背中をさすった。
『ありがとうございます』
涙声で話す彼は前よりも声は低くなったけれど
海のように透き通る声は変わっていない。
｢こちらこそ、いいもの見れたよ。ありがとう｣
涙をうかべるAは笑っていた。
一人で部屋で泣いていた彼とは別人のように強くなって、彼は人生という舞台に舞い戻った。
彼らの間を通り抜ける風が彼らを包み込む。
✼••┈┈┈┈┈••✼••┈┈┈┈┈••✼
そらる side
ライブの数日後。俺らはAの家に集まって演者だけの打ち上げをしていた。
楽しそうにたこ焼きをひっくり返すAは前よりも子どもらしい部分を僕らに見せてくれるようになったと思う。
『天月さん！まだ食べちゃダメです！』
｢えぇ！！もうお腹すいたよ！！｣
『カリカリにするまで待ってください！！』
｢やだ！！！｣
……いや、天月と比べたら大人かもしれない
とか思っていると横にいるまふがくすくすと笑っている。
｢まさか、こんな短期間でピースのチャンネル登録者が100万人になるなんて思いもしませんでしたね｣
｢そうだなぁ。しかも、そんなやつが今｣
｢たこ焼きにガチになってるw｣
そんなこと言って笑ってたのもつかの間。
｢あまいでAくんｯ！！｣←京都
｢本場育ち舐めるでないで！！｣←兵庫
そう言って、センラと坂田がガチ勢に仲間入りを始めた。それを見て笑っているうらた。
こうして笑う日々がいつまでも続きますように
そう願ったのはまた別の話だ。
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雨音 uto(プロフ) - なーなー。さん» 上から目線でしたら申し訳ありません。 (2020年10月29日 22時) (
レス) id: 975f6eaeb1 (このIDを非表示/違反報告)
雨音 uto(プロフ) - なーなー。さん» 何を認めるかは自分次第ですが、どんな所でもいいです。強いところ、弱いところ、得意なこと。自分にスポットライトを当ててみてください。人は誰しも違い、違う心の素顔を持っています。これから先、なーなーさんの素顔が無いものにならないように。 (2020年10月29日 22時) (レス) id: 975f6eaeb1 (このIDを非表示/違反報告)
雨音 uto(プロフ) - なーなー。さん» コメント、ありがとうございます。これはただの私の独り言なのですが、人は色々な場面で違う仮面を被っている生き物だと思います。親の前、先生の前、友達の前。少しだけ、分厚いものでなく薄い仮面にしてみてはいかがでしょうか。少しだけ、自分を認めて上げてください (2020年10月29日 22時) (レス) id: 975f6eaeb1 (このIDを非表示/違反報告)
なーなー。 - 一気読みさせていただきました。不登校でもいじめにあっているわけでもないものの、貼り付けた仮面で過ごしている自分にとって音楽は心の支えです。主人公と作者さんの前向きに努力する姿を見て自分も頑張らないとと思いました。素敵な作品をありがとうございました。 (2020年10月29日 22時) (レス) id: 3485a9157f (このIDを非表示/違反報告)
あーやんの向日葵畑(プロフ) - 雨音 utoさん» ありがとうございます！外伝に是非起用しますね！ (2020年10月15日 11時) (レス) id: 5447677fd3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：雨音 x他1人 | 作成日時：2020年9月24日 0時
