占いツクール
検索窓
今日:314 hit、昨日:53 hit、合計:91,694 hit

29 ページ30

(unoーside)


宇「詩…」


「実彩子、今日はありがとう」


宇「ごめんね本番前に」


「ううん、緊張してたから来てくれて嬉しい」



タイトなドレスを着て、髪をアップにしている詩は何処かホッとした様子で私を迎え入れてくれた。



宇「秀太はギリギリにくるみたい」


「そっか……あー、緊張するー」



落ち着かないその姿に、珍しいと思うけれど。





ーー当たり前か



今回、詩が出演するのは声楽の公演だという事を考えれば納得で。



今日は、いつものAAAやソロのライブじゃない。



テレビ出演で歌唱するわけじゃない。




ゲスト出演とはいえ、それこそ十数年ぶりに詩が声楽を披露するのだ。





さっきここに来るまでに、詩のお母さんである千弦さん。



元々声楽と縁のある、記者でかつては因縁もあった沢本美織さんと、そのご家族の方。



それ以外にも。


私はあまり関わったことのない世界だけど、声楽界の人々が色々な意味で注目しているのが分かる。



‘かつての天才少女が再び歌う’


‘一度声楽界を去った綾瀬詩が、今日限定で戻ってくる’



自ずと向けられる視線。かけられる重いプレッシャー。



詩にとっては、苦いトラウマもあるだろう。





ーーでもね、



宇「詩」



手のひらを向ければ、詩は一瞬きょとんとして。



「…ふふ、」



いつもの、控えめな笑顔と共に。


パンと互いの手を合わせる。





ジャンルも、舞台も違うけれど。



詩はずっと、AAAの一員として戦ってきた。



私の知ってる綾瀬詩は、何処までも音楽に対して誠実な人間だ。





だから自信を持って、歌ってほしい。



ブランクがあっても、きっと想いは変わらない。





宇「いってらっしゃい」


「うん、いってきます!」



私の親友で、仲間で、ライバルで、誇り。




貴女は、こんなとこで気圧されるような人間じゃない。









.









詩を見にくる人の中には、偏見の目を持った人もいて。



きっと、始めから嘲笑するつもりで来たんだろう。



色々な空気感が混ざり合った独特の緊張感を持つ会場で。









「Amazing grace how sweet the sound
That saved a wretch like me.」




その歌声は、それらの騒めきを吹き飛ばすには充分すぎるものだった。




たった数節で、この場にいた人を自らの世界観に引き込んでいく。



「I once was lost but now am found,
Was blind but now I see.」

30→←28



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.9/10 (73 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
273人がお気に入り
設定キーワード:AAA , メン入り , 西島隆弘
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

(プロフ) - 海音さん» ありがとうございます!次章もマイペースに更新していきたいと思っておりますので、またよろしくお願い致します! (2月20日 20時) (レス) id: 37dc25736a (このIDを非表示/違反報告)
海音(プロフ) - 楽しく読ませて頂いてます!すごく面白いです!!次の章も楽しみです!これからも頑張ってください!! (2月19日 23時) (レス) id: 8f38073b2c (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - ゆうさん» かなり長かったと思うのですが、ありがとうございます!マイペースな展開と更新になりますが、これからも頑張って参りますので、お付き合い頂ければ嬉しいです! (12月14日 18時) (レス) id: 37dc25736a (このIDを非表示/違反報告)
ゆう - 最初から一気に読んじゃいました!笑 とっても面白かったです! これからも頑張ってください! (12月14日 16時) (レス) id: 3d09ff0bd0 (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - EYさん» ありがとうございます!ゆっくりで良いとお気遣いまでして頂き、本当に嬉しいです。マイペースに頑張って参りますので、これからもよろしくお願い致します! (11月18日 20時) (レス) id: 00727ba42b (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名: | 作成日時:2019年11月9日 18時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。