34 ページ35
(youーside)
「久しぶりだな、綾瀬」
「お久しぶりです！」
その日はKilling Whiteの監督との顔合わせだった。
と言っても一度一緒に撮影してるから、ご飯を食べつつ比較的気楽に会話する程度だったけど。
監「最近、脇役で色んなもの挑戦してるんだって？」
「少しでも実力を底上げしようと…悪足掻きです」
監「良いんじゃないか？綾瀬は本業が歌手だからな。本当にやりたい役以外は慎重に選ぶべきだ」
監督は私の顔を一瞥すると、微笑む。
監「ただし、身体は改めて鍛え直しておいてくれよ。今回の撮影もアクションシーンが多いから」
「みたいですね」
既に台本は渡されていて、空いてる時間に少しずつ読むようにしてる。
killing WhiteはCGを取り入れる事は殆どない。
爆発等の命に関わるものにはCGを使う事もあるけれど、基本的にアクションシーンは全て役者が行う。
監「少し前に松川にも会ったが、あっちも闘志を燃やして張り切ってたぞ」
「那美ちゃん、暫く会えてないんですよね。…負けていられないなぁ」
確か真司郎と付き合ってたっけ。とそんな事を思い出したりして。
那美ちゃんに会うのも、また共演できるのも楽しみだなと考えていると。
監「それでな、今日呼んだのは綾瀬に頼みたいことがあるんだ」
「？」
目を合わせると、監督は無表情で。だけど楽しそうに告げる。
監「映画の主題歌を担当してくれないか」
「…え、私が？」
頷く監督は続けて口を開く。
監「killing Whiteの世界観を充分に表現できる歌手と言えば、もう綾瀬しか思い浮かばない」
「！」
監「あの独特の世界観を、綾瀬に歌にしてほしい」
それは、私にとってはとても光栄な事で。
「そう言って頂けて嬉しいです。是非やらせて下さい」
監「ああ、頼む。事務所の方にはまた改めて連絡しておくから」
次々にやってくる挑戦の機会。
一つ一つを大切に。
そう思いながら、私は早速どんな曲にしようかと頭を悩ませるのだった。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 308人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
海(プロフ) - 海音さん» ありがとうございます！次章もマイペースに更新していきたいと思っておりますので、またよろしくお願い致します！ (2020年2月20日 20時) (
レス) id: 37dc25736a (このIDを非表示/違反報告)
海音(プロフ) - 楽しく読ませて頂いてます！すごく面白いです!!次の章も楽しみです！これからも頑張ってください!! (2020年2月19日 23時) (レス) id: 8f38073b2c (このIDを非表示/違反報告)
海(プロフ) - ゆうさん» かなり長かったと思うのですが、ありがとうございます！マイペースな展開と更新になりますが、これからも頑張って参りますので、お付き合い頂ければ嬉しいです！ (2019年12月14日 18時) (レス) id: 37dc25736a (このIDを非表示/違反報告)
ゆう - 最初から一気に読んじゃいました！笑 とっても面白かったです！ これからも頑張ってください！ (2019年12月14日 16時) (レス) id: 3d09ff0bd0 (このIDを非表示/違反報告)
海(プロフ) - ＥＹさん» ありがとうございます！ゆっくりで良いとお気遣いまでして頂き、本当に嬉しいです。マイペースに頑張って参りますので、これからもよろしくお願い致します！ (2019年11月18日 20時) (レス) id: 00727ba42b (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：海 | 作成日時：2019年11月9日 18時
