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(youーside)
社長への報告は、思っていたよりも簡単に済んだ。
社「そうか…まあ、そうなるだろうとは思ってたよ」
西「予想通りでしたか」
社「ある意味な」
少し楽しそうに笑う社長は、何度か頷く。
社「充分にリスクも理解しての事だろう。2人とも良い大人だし、何か言うつもりはないさ。世間に公表はするのか？」
西「いや、今のところその予定はないです。……良かった」
社「ん？」
西「正直、もっと反対されるかと思ってたんで」
にっしーがそう言うと、社長は私に目を向ける。
社「いつかのように、綾瀬に辞められたら困るからな」
「そ、その節は本当にご迷惑をおかけしてすみませんでした」
西「あー…」
何も言い返せず私が頭を下げると、「冗談だ」と社長が笑う。
社「あれから……もう10年以上が経つか」
「はい」
社「少しだけな、後悔してたんだ」
懐かしむように目を細めて、社長が続ける。
社「家を出ろ。高倉家とは関わるな。…何もそこまで言うことはなかっただろうかと」
「でも、そうしないと辞めてなかったですよ」
社「辞めたからこそ苦労したんだろう。AAAとしてデビューしていれば、あそこまで苦労することはなかった」
確かにその通りかもしれない。
「それは違います」
だけど、そうじゃないんだ。
「一度辞めて、外からAAAの姿を見て。私自身はソロでストリートから始めて。そうしてAAAに入って、」
陽斗との事がなければ、通らなかったであろう道。
「AAAも私が抜けて、千晃が入って、色んな事がありました」
隣にいるにっしーも静かに聞いている。
友香里との確執。メンバー間でのすれ違い。中々出ない結果。
沢山のことがあった。
私達の道は、決してまっすぐなものではなかった。
「回り道ばかり選んできました。だけど、」
私がこんな事言うのは烏滸がましいものだけど。
「何一つ無駄じゃなかったです」
回り道をしないと、見られない景色があった。
得られないものがあった。
考えることはあっても、後悔はしない。
だって、私達が悩んで苦しんで、それでも自分で選んだ道だから。
社「…西島、綾瀬。おめでとう。これからが大変だが頑張りなさい」
西「はい」
「ありがとうございます」
時に厳しく、時に暖かく。
教師のように、父親のように見守り続けてくれた人に。
2人で深く、頭を下げた。
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海(プロフ) - 海音さん» ありがとうございます！次章もマイペースに更新していきたいと思っておりますので、またよろしくお願い致します！ (2020年2月20日 20時) (
レス) id: 37dc25736a (このIDを非表示/違反報告)
海音(プロフ) - 楽しく読ませて頂いてます！すごく面白いです!!次の章も楽しみです！これからも頑張ってください!! (2020年2月19日 23時) (レス) id: 8f38073b2c (このIDを非表示/違反報告)
海(プロフ) - ゆうさん» かなり長かったと思うのですが、ありがとうございます！マイペースな展開と更新になりますが、これからも頑張って参りますので、お付き合い頂ければ嬉しいです！ (2019年12月14日 18時) (レス) id: 37dc25736a (このIDを非表示/違反報告)
ゆう - 最初から一気に読んじゃいました！笑 とっても面白かったです！ これからも頑張ってください！ (2019年12月14日 16時) (レス) id: 3d09ff0bd0 (このIDを非表示/違反報告)
海(プロフ) - ＥＹさん» ありがとうございます！ゆっくりで良いとお気遣いまでして頂き、本当に嬉しいです。マイペースに頑張って参りますので、これからもよろしくお願い致します！ (2019年11月18日 20時) (レス) id: 00727ba42b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：海 | 作成日時：2019年11月9日 18時
