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(uno-side)


「宇野さんですね。綾瀬詩さんからお話はうかがっています。どうぞ」



看護師さんに話を通して、目当ての病室へ向かう。




西「なあ……俺、大丈夫かな?」


宇「何が?」


西「ほら、第一印象って大事やん?嫌われたら終わりじゃ…なあ、詩のお母さんってどんな人だろ。声楽界の天才…って事はやっぱ名門だよな。……あ、スーツで来りゃ良かっ」


宇「一旦黙ってくれる?」



ど緊張しているにっしーに嘆息する。



──他のメンバーに着いてきてもらえば良かったかな


と思うけど、にっしーならきっと無理にでも着いてきたのだろう。









宇「此処だよ。良い?来るときにも言ったけど、忘れないでね」


西「分かってる。刺激することは言わない。彼女が何を言っても否定しない」


宇「そう。私達の目的は…あくまで連れていくことだから…………今日の詩のライブに」









事の始まりは、詩の家にメンバー全員で泊まったあの日。



『私……お願いしたいことがあるの』



詩の願いは、私に1度伝えられた後、改めてメンバーにも伝えられた。



『当日私は動けないから……私の代わりに、お母さんをライブに連れてきてほしいの』



詩の母親である千弦さんは実の娘である詩の事を、覚えてはいるものの認識ができない。



詩を目の前にしても、お兄さんである奏さんだと思い込んでしまうんだ。



だから、今回のライブに連れていくことで、どんな結果が生まれるかは分からない。



だけど詩は言った。



『今の私の歌を聞いてほしいの』



すべて分かった上で、家族と向き合いたいと。





私達には勿論反対なんて出来なくて。



寧ろ、出来ることがあるならやってあげたい。





私達メンバーには当たり前に家族がいて、実家が地方の人もいるし、頻繁に会える訳じゃないけど。



辛いことがあったら励ましてくれて、嬉しいことがあったら一緒に喜んでくれて。



間違ってるときには正してくれて、迷ってるときには背中を押してくれる家族がいた。





だから、詩の晴れ舞台を。


詩の家族にも見てほしい。



お互いもう立派な大人で、こんなの唯のお節介なのかもしれないけれど。



でも、人にはやっぱり頼れる誰かは必要だと思うから。



詩がSOSを出してくれたのなら、手を差し伸べないわけにいかない。

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(プロフ) - くみさん» ありがとうございます!楽しんで頂けて、とても嬉しいです♪しかもかなり長かった筈なのに一気読みして頂いたとは…!本当にありがとうございます!マイペース更新ですが、これからも精一杯頑張りたいと思いますので、よろしくお願い致しますm(__)m (2019年6月22日 8時) (レス) id: 00727ba42b (このIDを非表示/違反報告)
くみ(プロフ) - ものすごく楽しいです!!昨日から一気に読んでしまいました!これからも楽しみにしてますね! (2019年6月21日 12時) (レス) id: 9ac3551b76 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名: | 作成日時:2019年3月24日 19時

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