小児科病棟の王子様

アナフィラキシー ページ14

亜嵐side




今日はもうすぐ小学生になる涼太が

院内学級の体験に行く日





少しずつ行って

慣れた状態で1年生になるんだ







「涼太、準備できた？」






涼「行きたくないな…」




「何言ってんの！

大丈夫だから行くよ」






極度の人見知りの涼太は

新しい場所や人が苦手




環境が変わると

直ぐにストレス性の症状が出る






だから、初日だし俺も着いていく





「涼太〜元気だして！

先生も一緒に行くから」





涼「うん…」




俺の手を握りながら

ゆっくり歩く涼太






「はい、着いた！

おはようございますしてね」






？「お、来たか！涼太君、おはよう！」






「おはようございます、健二郎先生」






健「おう、おはよう！

涼太君、よく来たな！」






涼「…」






健「噂通りやな笑」






「すみません…笑」






健「いや、大丈夫やで！

さっ、涼太君座って〜」






健「じゃあ、今日は絵と文字を

見て何かを当ててください！」






友達→友





友「はい！」






涼「…」






健「これ何かなぁ？」






これは、平仮名読める子しか

わからないだろっ笑







涼「しょうがっこう…((ﾎﾞｿｯ」






健「ん!?今、小学校って

言うた人だぁれ？？」






「涼太、手挙げてごらん？」






涼「ｽｯ…」






遠慮がちに手を挙げた涼太







健「凄いなぁ、涼太君！

平仮名読めるんか？」






涼「ｺｸｯｺｸｯ」






ギュッと目を瞑り、頷く涼太






健二郎さんめちゃくちゃ

笑ってるじゃん笑





健「すごいなぁ！偉い偉い！」






その後のクイズも

涼太がスラスラと答えて

徐々にクイズに夢中になっていく涼太






健「じゃあここまで！

ありがとうございました」






友「ありがとうございました！」





健「涼太君、沢山答えられたな？」






涼「…ｺｸｯ」






俺の足に隠れた涼太



さっきまでのは

空気に慣れたわけではなく

ただただ、クイズに

夢中だったらしい笑






健「また、いつでも来てな？

はい、どーぞ」






沢山入ったお菓子の袋を貰った涼太








「涼太？」







涼「…ありがとう」






健「どういたしまして！またね！」







涼「…バイバイ」







健二郎さんの前では

最後まで静かだったのに

別れた途端、嬉しそうな涼太






「楽しかった？」






涼「うん！お菓子食べて良い？」






「…涼太、ごめんね

お菓子はダメかな」

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