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「俺、誕生!」 15話 ページ30

ジークというのは特に私には敵意がないらしい
しかも私に取り憑いていたものを倒してくれたらしい


恐る恐る近づいてみると、益々その異形さが顕になる


「ねえ…良太郎、じゃないんだよね?」


「何を言う。私は私だ。それ以外何者でもない」


そう言って腕を広げるジークはやっぱりあの時の良太郎だった


あの時の良太郎は良太郎じゃなかった?
じゃあ今まで見た人格達は良太郎じゃないの?


頭を抱えて唸る私にジークは呆れたように言った


「何を勘違いしてるかは知らんが、私と良太郎は同じではないぞ。あやつはただの器にすぎん」


そう言うジークに衝撃を受けた


つまり、あの時の良太郎はさっきの私みたいにジークに取り憑かれていた良太郎だった、ということだ


「じゃあモモも?ウラも?みんなそうなの?」


「お供達か。そうだ、全員良太郎に憑くイマジンだ」


ジークが言ったイマジンという言葉に聞き覚えがあった


良太郎のお見舞いに行った帰りに襲ってきたあの化け物をみてハナさんが言っていた


じゃあモモたちはあのイマジンとか言うやつで、良太郎についていたんだ


じゃあなんで?


イマジンは何かは詳しく知らないし、良太郎がなんでイマジンを憑かしていたのかも分からない


どうしても気になってジークに聞いてみた


「なんで良太郎はその…イマジンを憑かせてるの?」


「お供達の事なんざ知らぬ。が、良太郎は電王だからな」


「電王?」


「なんだ、知らぬのか?」


また呆れるように言うジークに首を傾げる
良太郎がその…電王とか言ったことがなかったから私は知らなかった
が、ふと思い当たるものがあった


「もしかして、仮面ライダーっていうやつ?」


「ふむ、あながち間違ってない」


そう言われてやっとピースが繋がった


あの時カスミちゃんを助けてくれたのは、イマジンが憑いた良太郎だったんだ
だからあの場にいなかった


傷が増えたのも、戦っていたからなんだ


「そうだったんだ…良太郎が…」


そう思うとある疑問が出てきた




なんで教えてくれなかったの?




恐らくハナさんや侑斗は知っていたのだろう
良太郎が電王だったということを


まるで私だけが遠ざけられている気持ちになってきて、黒い気持ちが湧いてきた


「どうして…どうしてなの…」


俯いて呟く私をジークはじっと見つめていた

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フォンフォン(プロフ) - 萌笑さん» そう言ってくださると嬉しいです!ありがとうございます! (2018年9月17日 16時) (レス) id: 0273cd81dc (このIDを非表示/違反報告)
萌笑(プロフ) - この小説めちゃくちゃ大好きです!これからも頑張って下さい! (2018年9月17日 10時) (レス) id: b383e375e0 (このIDを非表示/違反報告)
鮭のマリネ(プロフ) - 廉火@こたぬき志麻リスさん» 貴重な感想をありがとうございます!夢主をいかに割り込ませるかで結構悩んで無理矢理な感じになりましたが、気に入って頂けて安心しました。電王、いいですよね。電王の魅力を無くさないように書いていきますので、これからもこの小説をよろしくお願いします! (2018年9月7日 10時) (レス) id: 0273cd81dc (このIDを非表示/違反報告)
廉火@こたぬき志麻リス(プロフ) - 初コメ失礼します! 最近、電王を見直し始めまして再熱しておりますところ、この物語を見つけました。やっぱり、電王はいいですね(唐突) 文章等も惹き込まれる文章で、何より、夢主ちゃんの存在がいい(真顔) これからも楽しみにしております! (2018年9月6日 23時) (レス) id: 7e3ffaecdb (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:フォンフォン | 作成日時:2018年9月1日 11時

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