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「俺、誕生!」 6話 ページ21

牙王に傷つけられフラフラな良太郎を支え、ハナはこの時代のミルクディッパーに訪れた


「よかった…まだ開いてる」


鎖と南京錠がかかっていたものの、何故か開いていたので入って近くの椅子に良太郎を下ろした


「良太郎、大丈夫?」


「良太郎?」


肩を揺らして声をかけていると、別の方向から幼い声が聞こえた
そちらを見ると、少し怯えた顔をした少年が柱から覗いていた


なるべく怯えさせないようにこっちに来てもらう


「君、名前は?」


「僕…野上良太郎」


「良太郎…やっぱり!」


良太郎が身を起こすのが視界の端に見えてチビ良太郎を連れて駆け寄る


「良太郎!この子…良太郎?」


「あなた…誰ですか…?」


ハナを視界に捉えた瞬間、まるで初めて会った時のようにサッと身を引いた


「まさか、覚えてないの!?」


ハナが血相を変えて詰め寄ると、また怯えたようにさらに身を引いた


そして、良太郎が混乱し始めたその隙をモモタロスは逃さなかった


「見えた!オイ亀!熊!押せ!」


それを聞いてウラタロスとキンタロスが同時に外に押し出すように彼の背中を押した


そのままモモタロスはデンライナーの壁から消えていった


その様子にオーナーは感心したように眉毛を微かに上げ、ナオミやイマジン達は声を上げた


飛んだモモタロスはその勢いのまま良太郎に憑依した、かのように見えた


『ッ!?何だ!?』


入った途端に強い力で横から押し出された
そしてその勢いでたまたまそこにいたチビ良太郎に入ってしまった


「俺、参上!…て、ええええ!?」


「ちょっと!どこに入っているのよ!」


「俺に聞くな!なんだこりゃあ!?オイ!良太郎!」


チビ良太郎に入ったモモタロスが良太郎に詰め寄る
ふと顔を上げた良太郎の目は白く染まっていた


「降臨、満を持して」


羽を舞散らし、大きく腕を広げた良太郎にハナはジーク、と呟いた


「姫、久しぶッ」


「なんでアンタがここにいんのよ!?」


腕を広げたままハナを抱きしめようとしたが、思いっきりひっぱたかれる
が、すぐに何事もなかったようにハナに向き合う


「なんでとは?私に逢いに来てくれたのだろう?」


「てめぇ…!」


掴みかかろうとするモモタロスを抑えて、ハナは胃が痛くなるのを感じた

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フォンフォン(プロフ) - 萌笑さん» そう言ってくださると嬉しいです!ありがとうございます! (2018年9月17日 16時) (レス) id: 0273cd81dc (このIDを非表示/違反報告)
萌笑(プロフ) - この小説めちゃくちゃ大好きです!これからも頑張って下さい! (2018年9月17日 10時) (レス) id: b383e375e0 (このIDを非表示/違反報告)
鮭のマリネ(プロフ) - 廉火@こたぬき志麻リスさん» 貴重な感想をありがとうございます!夢主をいかに割り込ませるかで結構悩んで無理矢理な感じになりましたが、気に入って頂けて安心しました。電王、いいですよね。電王の魅力を無くさないように書いていきますので、これからもこの小説をよろしくお願いします! (2018年9月7日 10時) (レス) id: 0273cd81dc (このIDを非表示/違反報告)
廉火@こたぬき志麻リス(プロフ) - 初コメ失礼します! 最近、電王を見直し始めまして再熱しておりますところ、この物語を見つけました。やっぱり、電王はいいですね(唐突) 文章等も惹き込まれる文章で、何より、夢主ちゃんの存在がいい(真顔) これからも楽しみにしております! (2018年9月6日 23時) (レス) id: 7e3ffaecdb (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:フォンフォン | 作成日時:2018年9月1日 11時

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