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「その男、ゼロのスタート」 2話 ページ47

「はい。どうぞ」


そう言ってレアチーズケーキを出す
すると侑斗さんは少しビックリしていた


「俺、頼んでないぞ」


「レアチーズ嫌いでした?」


「嫌いじゃないけど…」


「ならいいじゃないですか。愛理さんを誤魔化す為の嘘に付き合ってくれたお礼ですよ。」


とこっそり言うと、腑に落ちない顔をしていたが、フォークを持ってくれた


それに満足してカウンターに戻ろうとすると、また呼び止められた


「お前、野上良太郎を知ってるか?」


「ええ、一応家族ですから。」


「どこまで知ってる?」


「どこまでって…」


うーん、と顎に手を当てて考える
とりあえず不幸でおっちょこちょいで、でも最近筋肉が付いてきたような?
いつの間にか人格4人になってたし。
あと疲れ気味。


そう伝えると、侑斗さんは怪訝な顔をした


「…そこまでしか知らないんだな」


「そこまでって、これ以上に何かあるんですか?」


「いや、知らないならいい」


知らないならいいって、まるで侑斗さんが私以上に良太郎の事を知っているような口調だ


…え、じゃあもしかして侑斗さん、良太郎と…?
まさか、BのL的なあれなの?
侑斗さん、そっちの方だったの?


自分で想像して軽く引いていると、勘違いすんなと言ってデコピンされた。
痛い。


「とにかく、知らないならそれ以上踏み込まない方がいい。じゃ。」


そう短く言うと1000円札をテーブルに置いて店を出ていってしまった


ん?1000円札?


「あ、愛理さん!侑斗さんお釣り忘れてった!」


「あら!じゃあ私行ってくるわ!店番お願いね」


サッとレジから小銭を取り出してエプロンのまま走って行ってしまった


愛理さ〜んと嘆く三浦さんと尾崎さんを放っておいて、私はお皿の片付けをすることにした


シンクで皿を流しながら侑斗さんが言っていたことを考える


「(…確かに、最近良太郎の事よく知らないなぁ)」


ハナさんと時々出かけてるし、知らない所で何かやってるっぽいし、傷も増えてきている


もしかして、あの化け物と関係してたり?
良太郎が…仮面ライダーだったり?


「(なわけないか)」


心だけは強いけど、体は弱っちいし、不幸すぎる良太郎があんなかっこよく戦える訳ない
でも、もしそうだったら


「(良太郎はなんで私に言ってくれないんだろう)」


用事のことも、傷の理由も、何も言ってくれない


「(どうして…)」


侑斗さんの言葉が、胸に刺さった気がした

「ケンカのリュウ儀」 1話→←「その男、ゼロのスタート」 1話



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わー(プロフ) - 了解です!ありがとうございます! (2018年12月27日 22時) (レス) id: 8cf7868275 (このIDを非表示/違反報告)
フォンフォン(プロフ) - わーさん» もしモモタロスオチの小説をお求めでしたら、リンク先の短編小説の方に置いてありますのでそちらをご覧下さい。長くなりましたが、これからもよろしくお願いします! (2018年12月27日 21時) (レス) id: 0273cd81dc (このIDを非表示/違反報告)
フォンフォン(プロフ) - わーさん» コメントありがとうございます!大変申し訳ございませんが、オチのリクエストは受け付けていません。オチは未定とありますが、物語の流れ的にはオチはないです。誤解を招くような表現をしてすいません… (2018年12月27日 21時) (レス) id: 0273cd81dc (このIDを非表示/違反報告)
わー(プロフ) - オチはモモタロスでお願いします! (2018年12月27日 19時) (レス) id: 8cf7868275 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:フォンフォン | 作成日時:2018年8月19日 21時

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