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「銭湯(バス)ジャック・パニック」 3話 ページ38

サンドイッチを食べながら犯人…もとい袴田(はかまだ)はため息をついた。


「拳銃はおもちゃだし、人質は自由に出入りするし、こんなことやっててもな…。俺、自首するよ。」


「その方がいいですよ。罪が軽くなりますし。」


良太郎が言うと妙に説得力があるのはなぜだろうか。
良太郎がふと袴田さんに聞いた。


「そもそも、袴田さんはなんで警察に追われているんですか?」


それを聞いて袴田さんはお茶を飲み干すとぽつぽつと話し始めた。


「俺な、会社の金を盗んだって疑われて、身に覚えがなかったが…でも、社長は出るとこ出てやるって言って、頭にきて出ていってそれっきりだ。」


「それって…冤罪ってやつ?」


ハナさんが聞くと袴田さんは頷いた。
ありもしない罪でここまで逃げてきたのはかなり精神的な負担が大きかったのだろう。


だから立て篭りなんて真似をしてしまったんだ、と思った。


「お気の毒に、その社長さん何か勘違いをしてるんじゃないかしら。」


「何の証拠もないのに、決めつけるのはね…」


「僕もそう思う。」


愛理さんと私の後に続いた良太郎の声はどこか違っていた。
良太郎は慌てて口を手で抑えていた。


「どしたの良ちゃん?」


「あ、いや、なんでもないよ。ハハ…」


良太郎がはぐらかすように笑うと、袴田さんが決意したように立ち上がった。


「色々、迷惑をかけたな…じゃあ。」


「待ってください!」


愛理さんが出ていこうとする袴田さんを引き止めた。


「今捕まったら、冤罪を晴らせませんよ。何かいい知恵が浮かぶまで、頑張りましょう!」


真っ直ぐな瞳でそう言われた袴田さんはたじろいだ。
確かに、今出ていったらお金を盗んだことを認めてしまう。
やっぱり冤罪はよくない。


でも、と渋る袴田さんに愛理さんは優しく笑いかけた。


「星はね、晴れた時に見えるんです。」


よく愛理さんは星で物事を表す。
それはあまりにも抽象的で、言ってしまえば非現実的だけども、愛理さんが言うと妙に説得力がある。


それに、その愛理さんの星で救われた人が何人もいるし、だから愛理さんは人を惹き付ける。
私だってそうだ。


袴田さんはそうだな、といって笑った。
おもちゃの拳銃は捨てた。
もういらないし、使わない。


今回はやっぱり長くなりそうだけど、そんなに居心地は悪くない。
むしろちょっといいかも?


なんてね。

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わー(プロフ) - 了解です!ありがとうございます! (2018年12月27日 22時) (レス) id: 8cf7868275 (このIDを非表示/違反報告)
フォンフォン(プロフ) - わーさん» もしモモタロスオチの小説をお求めでしたら、リンク先の短編小説の方に置いてありますのでそちらをご覧下さい。長くなりましたが、これからもよろしくお願いします! (2018年12月27日 21時) (レス) id: 0273cd81dc (このIDを非表示/違反報告)
フォンフォン(プロフ) - わーさん» コメントありがとうございます!大変申し訳ございませんが、オチのリクエストは受け付けていません。オチは未定とありますが、物語の流れ的にはオチはないです。誤解を招くような表現をしてすいません… (2018年12月27日 21時) (レス) id: 0273cd81dc (このIDを非表示/違反報告)
わー(プロフ) - オチはモモタロスでお願いします! (2018年12月27日 19時) (レス) id: 8cf7868275 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:フォンフォン | 作成日時:2018年8月19日 21時

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