「妄想・暴走・カスミ草」 1話 ページ24
最近、良太郎はひどく疲れた顔をするようになった。
この前に、ハナさんと良太郎が空手の大会に出た人が襲われる事件について調べてからだ。
いつもの不幸のせいなのかな。
少し不安に思いつつも、声には出さなかった。
聞いたらダメな気がした。
今日は良太郎と、愛理さんに頼まれたカスミ草を買いに行った。
小さなカスミ草の花束を持って帰る時、良太郎と私の前に女の子が立ち塞がった。
「貴方ね!カスミ草の人は!」
思わず2人で顔を見合わせた。
とりあえず話を聞こうとすると、その子の保護者のような人が慌てて走ってきた。
「かすみ!駄目じゃないか!勝手に出ていったら!」
「離して!」
目の前で行われるやり取りに呆然としていると、隣の良太郎の気配が変わった気がした。
「泣けるでぇ!」
そう言うと、良太郎がかすみちゃんから男の人を引き離した。
というか、投げ飛ばした。
その良太郎の目は金色で、髪に金メッシュが入っていた。
また違う人か…最近増えてるなあ。
「俺の強さにお前が泣いた。涙はこれでふいとけ。」
そう言ってカスミ草を挟んだ紙をかすみちゃんに渡した。
それをみてかすみちゃんはやっぱりカスミ草の人だ!ともっと喜んだ。
私はとりあえず、投げ飛ばされた人の安否が気になった。
どうしよう、あれ。
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良太郎が投げ飛ばした人から電話がかかって、たまたまミルクディッパーにいたハナさんが着いてきてくれた。
「ごめんね、A…巻き込んじゃって。」
「ホントだよ。で、今度は誰の真似してそうなったの?」
良太郎が「え?真似?」と首を傾げる。
そんな会話をしてると、呼び出された場所に着いた。
そこには花束や色紙やプレゼントをもった中学生くらいの女の子がたくさんいた。
そこに貼ってあったポスターには、かすみちゃんの顔が大きくあって、パリコレという文字がデカデカと載っていた。
近くの子に聞くと、かすみちゃんはパリコレのジュニアに選ばれた人気モデルらしい。
「今どき知らないなんて、遅れてるね。」
そう言われてビックリして突っ立っていると、帽子を被った女の子に良太郎が手を引かれた。
その子について行くと、その子が今ポスターで見たかすみちゃんだった。
どうやら、投げ飛ばしたマネージャーの代わりに呼ばれたらしい。
そう話していると、ファンの女の子たちが押しかけてきた。
慌ててかすみちゃんを守るが、流さされてしまった。
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わー(プロフ) - 了解です!ありがとうございます! (2018年12月27日 22時) (レス) id: 8cf7868275 (このIDを非表示/違反報告)
フォンフォン(プロフ) - わーさん» もしモモタロスオチの小説をお求めでしたら、リンク先の短編小説の方に置いてありますのでそちらをご覧下さい。長くなりましたが、これからもよろしくお願いします! (2018年12月27日 21時) (レス) id: 0273cd81dc (このIDを非表示/違反報告)
フォンフォン(プロフ) - わーさん» コメントありがとうございます!大変申し訳ございませんが、オチのリクエストは受け付けていません。オチは未定とありますが、物語の流れ的にはオチはないです。誤解を招くような表現をしてすいません… (2018年12月27日 21時) (レス) id: 0273cd81dc (このIDを非表示/違反報告)
わー(プロフ) - オチはモモタロスでお願いします! (2018年12月27日 19時) (レス) id: 8cf7868275 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:フォンフォン | 作成日時:2018年8月19日 21時