41 ページ42
(youーside)
「そうやって大きくなった子どもが、どうなるか考えてみて？」
千晃も。他のメンバーも。
誰も何も言わなかった。
「甘える事が、できなくなるんだよ」
多分この気持ちを、共有はできないから。
「自然とね、遠慮する事を身に付ける。自分で何でもやってしまおうと思ってしまう」
かつての私がそうだったように。
今でも、親への甘え方がよく分からない私のように。
「勿論これは私の考えだから、必ずしもそうだとは言えないけど」
にっしーが言っていたように、仕事の事は勿論重大だ。
無責任に放り出せる立場じゃない。
でも、それ以上に。
「私は千晃の子どもに、そんな風にはなってほしくないよ」
大切なメンバーだから。
大切な人の大切な人には、辛い思いをしてほしくないと思う。
「私達にとって千晃は唯一のメンバーだよ。誰にも代わりなんて務まらない」
もし、その位置に他の誰かが来たとしても。
きっと、受け入れる事なんてできない。
「でも、それと同じように、子どもにとっても…たった1人のお母さんになるんだよ」
ただ、その想いだけで。
まだ自分の意思表示のできない子どもから、母親を奪って良いとも思えない。
「その事も、考えてほしい」
後悔しないように。
考えるのは、千晃自身だから。
浦「とにかく、千晃が答えを出さない事にはこの先の事も話せない」
生まれた沈黙を切るように、リーダーが席を立つ。
浦「あんまり時間はないよ。ちゃんと考えて、それからまた話し合おう」
あくまで淡々と。
何処か突き放すような言い方に、千晃は小さく頷いた。
1人、また1人とメンバーが退出していく中。
誰も言葉を発する事はなくて。
西「詩」
「…うん」
にっしーに着いて部屋を出る直前。
末「……」
ボンヤリと窓から外を眺めている秀太が目に入って。
「…、」
何か声をかけようか。
そう考えたけど、結局何も浮かばなかった。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 382人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
海(プロフ) - ももたろうちゃんさん» ありがとうございます！凄く嬉しいです(^^)マイペースですがこれからも頑張ります！これからもよろしくお願い致します。 (2020年3月8日 17時) (
レス) id: 37dc25736a (このIDを非表示/違反報告)
ももたろうちゃん - この小説大好きです！更新頑張ってください。応援してます（*^_^*） (2020年3月8日 14時) (レス) id: 37be2dc889 (このIDを非表示/違反報告)
海(プロフ) - Takatakaさん» ありがとうございます！かなり長い話になってしまっているので、そう言ってくださると嬉しいです。完結までもう少しかかりますが、丁寧に書いていきたいと思っておりますので、よろしくお願いいたします。 (2020年3月7日 9時) (レス) id: 37dc25736a (このIDを非表示/違反報告)
Takataka(プロフ) - まだまだ続けくのは嬉しいです、更新楽しみにしてます (2020年3月6日 14時) (レス) id: 46a14b564f (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：海 | 作成日時：2020年3月5日 20時
