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(youーside)


莉「綾瀬さん…」


「……ごめんなさい」



事務所の一室で、莉子さんと向かい合って、頭を下げる。



莉「期限は来週ですし、間に合えば良いんですけどね」


「…間に合う、かなぁ…」


莉「間に合わせてくださいね!?」



きっかけは些細な雑談だった。



Killing Whiteの主題歌となるDoll。


そのカップリング曲の作詞が来週に期限が迫っていて、調子はどうかと聞かれたのだ。



そろそろ書き始めていかないとヤバイのだけれど、未だに歌詞が全く降りてこない状態で。





莉「そんなに詰まるのは珍しいですね」


「んー…何だか集中できなくて…」



表と裏、2曲が対になるようにしたくて、カップリング曲は優しい歌にしたいと思ってる。



だけど今、心の中は雑念でいっぱいで。





「はぁ、」


莉「取り敢えず、今日はもう送りますよ。気分転換に西島さんのところに行きますか?」


「…いえ、実家の方にお願いしても良いですか?」


莉「分かりました」



今にっしーの所に行っても、AAAの事を思い出して余計に行き詰まりそうだから。









車に揺られながら、目を閉じる。





ーーこんなの、今までなかったな





メンバー1人1人がここまでバラバラな意見で衝突し合う事は、今までになくて。



昔も衝突する事はあったけど、その度に話し合って、みんなで同じ道を選んで歩いてきた。



その度に、互いの信頼だって重ねてきたから。



長年一緒にいたから、最近ではあまり多くを語らなくても、分かり合えている部分もあって。



それが今、少しだけ分からなくなってしまった。





ーーどうすれば良いんだろう


ーーどうするのが、AAAにとって最適なんだろう





AAAに対する想いは多分メンバー色々持っている。



今回は彼女だったというだけで、千晃の事だってみんな大切に思ってる。





ーー幸せになってほしい



ーーでも、千晃の幸せって何?



まだ何も知らずにいる。



ーーAAAはどうあるべき?



まだ答えを出せずにいる。







別の事を考えようとしても、思考がそれで埋め尽くされてしまって。



そんな状態の私に、優しい曲の歌詞なんて浮かぶはずもなかった。

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(プロフ) - もえさん» 初めまして、コメントありがとうございます!またまた不穏な展開になって参りましたが、マイペースに更新していきますので、見守って頂けると嬉しいです。これからもよろしくお願い致します! (2020年7月20日 22時) (レス) id: 37dc25736a (このIDを非表示/違反報告)
もえ - 初めまして、いきなりコメント失礼します。いつも楽しみに読ませてもらってます!主人公がこれからどうなるのか凄く気になります。これからも更新楽しみに待ってます!! (2020年7月19日 16時) (レス) id: 3ff6af9b82 (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - Okymtyu1さん» ありがとうございます!マイペース更新ですが、出来る限り丁寧に書いていきたいと思いますので、これからもよろしくお願いします! (2020年5月24日 15時) (レス) id: 37dc25736a (このIDを非表示/違反報告)
Okymtyu1 - この小説ほんとにおもしろいです!これからも頑張ってください!! (2020年5月23日 19時) (レス) id: 5c489e2e72 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名: | 作成日時:2020年5月18日 22時

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