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(youーside)


眠れない夜を過ごして。





伊「私、AAAが大好き」



夜明け頃、ポツリと千晃が呟いた。





伊「沢山泣いたし、しんどい事ばっかりだった」


宇「うん」


伊「正直、辞めたいって思った事もあった」


「うん」


伊「でも、それ以上に沢山の幸せがあった」


「うん」


伊「メンバーも、スタッフも、ファンの皆も大好き」


宇「うん」




3人横に並んで入るけど、視線は天井にあるから、お互いの顔は見えない。




伊「AAAが大好き。AAAメンバーでいられて、本当に幸せだった」


「うん」




でも、何となく。



どんな顔をしてるのか、見なくても分かる気がした。




伊「だから、この気持ちのまま……1番大好きなまま、私はAAAを脱退する」



きっとこの先、この決断に対して色んな言葉が向けられるだろう。



無責任、裏切り者。


そんな言葉が一切無いだろうとは言えないし、一部それも事実なのかもしれない。



どれだけ綺麗事を並べたって、千晃のした事に傷付く人は、必ずいるのだから。



でも。


ーー伊藤千晃というメンバーが、自分のグループをどんなに大切に想っていたか



その事実もまた、否定のできない事実。





宇「脱退じゃない。卒業、だよ」


伊「…え?」




きっと実彩子も、同じ事を考えてる。




宇「千晃はこれまで、全力でAAAとして活動してきて。これからは新しい道へ進む」



道は違っても、新たな道を行く仲間へ。



宇「脱退じゃない。ちゃんとAAAを卒業して。千晃の門出なんだから」


伊「……っ…うん」



宇「…おめでとう。言うのが遅くなってごめんね」


「おめでとう、千晃」



また涙が零れた千晃の頭を、実彩子と2人でそっと撫でた。









ーー今なら、歌詞かけそうだな



そんな場違いな事を思って、内心で苦笑して。




ーーでも今は、もう少しだけ



この暖かさに、浸っていよう。







カーテンの隙間から、朝の日差しが差し込まれた時。



“愛したかたを選んだ日 愛はちょっと眩しかった”



みさちあの、優しい歌のフレーズを思い出して。





今日は、良い天気になりそうだと。



そう感じた朝だった。

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(プロフ) - もえさん» 初めまして、コメントありがとうございます!またまた不穏な展開になって参りましたが、マイペースに更新していきますので、見守って頂けると嬉しいです。これからもよろしくお願い致します! (2020年7月20日 22時) (レス) id: 37dc25736a (このIDを非表示/違反報告)
もえ - 初めまして、いきなりコメント失礼します。いつも楽しみに読ませてもらってます!主人公がこれからどうなるのか凄く気になります。これからも更新楽しみに待ってます!! (2020年7月19日 16時) (レス) id: 3ff6af9b82 (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - Okymtyu1さん» ありがとうございます!マイペース更新ですが、出来る限り丁寧に書いていきたいと思いますので、これからもよろしくお願いします! (2020年5月24日 15時) (レス) id: 37dc25736a (このIDを非表示/違反報告)
Okymtyu1 - この小説ほんとにおもしろいです!これからも頑張ってください!! (2020年5月23日 19時) (レス) id: 5c489e2e72 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名: | 作成日時:2020年5月18日 22時

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