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(youーside)
柔らかな風が吹き、桜が咲く頃。
「ただいま帰りました。…お父さん、お母さん」
末「初めまして、末吉秀太と申します」
私は久しぶりに、そして初めて秀太くんと実家に来ていた。
父「そちらが、お前が樹くんを捨ててまで選んだ男か」
竦みあがるような低い声と、厳しい睨みに対して、秀太くんは少しも動じた様子なく頭を下げる。
末「今日はひまりさんとのお付き合いを許して頂きたいと思い、来ました。家に入れてくれてありがとうございます」
父「許すも何も、ひまりはもううちの娘でも何でもない。好きにすれば良いさ」
母「お父さん！」
城間さんに結婚のお断りをしたとき。
樹『それは仕方ありませんね。どうか幸せになってください』
少し残念そうに、それでも笑顔でそう言ってくれた城間さん。
だけど、私の実家の方はそうはいかなくて。
お母さんはともかく、お父さんにはもう帰ってくるなとまで言われた。
…本当は、今日家に入れてくれるかも分からなかったのだけれど。
末「ひまりさんが言っていました。自分は父の期待に応えられない親不孝者だと」
父「別に初めから期待もしてない。…もう良い、出ていきなさい」
末「でも、ずっと考えてます。自分の意思を曲げない生き方と、両親への接し方の両立を」
何も言えず、ただ見ているだけの私の横で。
秀太くんは堂々と話を続ける。
末「俺は…ひまりさんの笑顔が好きです。仕事に本気で向き合う姿が好きです。彼女はいつだって全力で、その姿に何度も救われた事だってあります」
父「……」
末「俺がこんな事言える資格がない事は分かってます。でも、」
一瞬、私を一瞥してから、深く頭を下げる。
末「ひまりさんの事を見てあげてください。どんな夢を見て、どう生きてるのか。…どうか、見てあげてください」
私も一緒に頭を下げて。
ジンと喉の奥が熱くなる。
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海(プロフ) - ひろさん» ありがとうございます！私自身マイペースなもので、そう言って頂けると有難いです！これからもよろしくお願い致します^_^ (2020年5月26日 20時) (
レス) id: 37dc25736a (このIDを非表示/違反報告)
ひろ - とても好きです！ゆっくりでも構わないので、更新楽しみにしてます。 (2020年5月26日 17時) (レス) id: 59db8a3c3c (このIDを非表示/違反報告)
海(プロフ) - ゆうさん» ありがとうございます！少し特殊な設定ですが、これからもお付き合い頂ければ嬉しいです(*^_^*) (2020年5月14日 15時) (レス) id: 37dc25736a (このIDを非表示/違反報告)
ゆう - すごく素敵な作品ですね！ (2020年5月12日 15時) (レス) id: fada27738b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：海 | 作成日時：2020年3月17日 22時
