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(you-side)
宇浦「Chu Chu-ru Chu」
宇「きっかけはここにあるから」
可愛い振り付けと、実彩子の声量ある声に、会場のボルテージは最高潮。
だけど、2番に入って様子は一変した。
浦「飛べない空なんかきっとないはずなのに どーだい」
「本当は違ってるとこが」
「なんでーーー!!」
「宇野ちゃーーーん!!」
「素敵なのさ」
歌っていてもしっかりと聴こえる声に、笑顔はなんとか保って歌いきるけど、身体中の筋肉が固まる。
直接歌を否定されるのは、‘あの時’以来で。
──もう貴女は歌わないでちょうだい!
怖い、と一度思ってしまえば。
時が止まった気がした。
西「どっちでも選べる道なら」
だけど次の瞬間、にっしーは自分のパートを歌いながら、私に肩を寄せる。
ハッ、と反射的に隣を一瞥した私は、にっしーにつられるようにして、一緒に目の前を指差す。
貴西「しっかり進めば良いじゃない」
重なる声、触れる肩同士。
その瞬間、悲鳴が上がるけど。
目が覚めた気分だった。
貴浦「とびっきりのチュー!」
「愛が伝わる」
貴浦「Chu Chu-ru Chu」
「近くなろう近く」
否定されて当たり前なんだ。
それを受け入れなきゃいけない。
笑顔で踊り、歌いきって間奏に入る。
ここまでは何とか気力で持ったけれど。
「宇野ちゃん!宇野ちゃん!」
「お願いーーっ!!」
近く感じるファンの距離。
それは私に、生の声を残酷なほどに届けてくれる。
……後少し、後少しだから。
実彩子と私、両方が交代でリードを歌う最後のサビ。
考えるだけで、胸にズシンと重りが乗っかったように苦しい。
実彩子が歌い始める直前の事だった。
「負けるなあやちゃん!!」
「!」
固い笑顔のまま、声の聴こえた方に目をやると。
そこには、強い目で。
笑顔で私に手を振る、女の子。
──ひまりちゃん
彼女の顔を見て、思い出した。
私には、大切なファンがいる。
どんな状況でも、私の歌を聴いてくれる人は確かにいるんだ。
観客を怖いと思ってしまうのは、否定できないけど。
絶対に歌いきる、強くそう思った。
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海(プロフ) - あいさん» こちらこそ再びコメントを頂けて嬉しいです♪ありがとうございます!少し書き溜めてからの公開を考えていますので、もう少しお待ちください。楽しみにして下さってる方がいる事が何よりの励みです!頑張ります!!これからもよろしくお願いします(^^) (2018年3月19日 23時) (レス) id: fc74eeea72 (このIDを非表示/違反報告)
海(プロフ) - まどれーぬさん» こんばんは!大変な時だというのに、わざわざありがとうございます(>_<)明日、普段通りの実力が出せますように…受験頑張ってください!!激励のコメントも、ありがとうございました! (2018年3月19日 23時) (レス) id: fc74eeea72 (このIDを非表示/違反報告)
まどれーぬ(プロフ) - こんばんは〜!明日受験があるのに気になって読ませていただきました〜!これからも頑張って!! (2018年3月19日 19時) (レス) id: 6ca81d105b (このIDを非表示/違反報告)
あい(プロフ) - 返信ありがとうございます(*´∇`*)2章楽しく読ませてもらいました(^o^)3章も楽しみにしてます(o≧▽゜)o頑張って下さい☆ (2018年3月19日 18時) (レス) id: 79d2b3f374 (このIDを非表示/違反報告)
海(プロフ) - あいさん» こんにちは、ありがとうございます!次回更新で2章完結予定ですので、暫くお待ちくださいませm(__)mこれからもよろしくお願いします(^^) (2018年3月18日 14時) (レス) id: fc74eeea72 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:海 | 作成日時:2018年2月18日 22時