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(you-side)
末「やる気あるん?」
個人練を始めて1週間、もう数えきれないくらい言われた言葉は、常に私の頭の中で響いてる。
自分なりに精一杯頑張っているつもりではあるけど、秀太は頑として首を縦には振ってくれなかった。
末「今日はもういい。俺も自主練やるし、また明日」
「う、ん」
流れる汗と共に削られていく精神力。
その度に頑張る、もう一頑張りだって気力を奮い立たせるけど。
バタン、と扉が閉まって一人になった瞬間、私は膝をついた。
「はーーー…」
何時間も躍り続けて、手足が軽く痙攣してる。
飲み干したペットボトルが何本も床に転がるのを見つめて、私は嘆息した。
後1週間以内に認めてもらわないと、私はAAAにはなれない。
このままじゃ、ダメかもしれない。
どれだけタイミングを合わせても、完璧を意識しても、OKとは言ってくれない秀太。
そればかりか、投げられる言葉は冷たいものばかり。
──やる気あるん?
──これくらいやったらAAAにはいらん
──今日はもういい
──まだやる?
出来るだけ意識していた笑顔も日に日に作るのが苦しくなっていって。
このままじゃ、本当に心が折れそうだ。
それでも。
心が折れないのは、どうしてもAAAに加わった先を見たいから。
秀太も含めた、皆と一緒に。
伊「大丈夫?あやちゃん」
「!…千晃、ちゃん」
控え目に部屋に入ってきたのは女子メンバーの千晃ちゃん。
私が座り込んでいるのを心配そうに見た彼女はペットボトルを差し出してくれる。
伊「まだ空けてないやつだから飲んで」
「ありがとう」
ありがたく受け取って飲むも、室内は重苦しい沈黙が続く。
私も千晃ちゃんもお互いに気まずくて、何を話せば良いのかわからない状態。
悩んだ末に私は口を開いた。
「メンバーの様子は変わりない?」
1週間前に顔合わせをしてから、秀太以外とは会っていない。
気にならないと言えば、嘘になる。
伊「うん。にっしーとだっちゃんはいつもあやちゃんの合流はまだかな?って言ってるし、真司郎も口には出さないけど、楽しみにしてると思う。リーダーは静観って感じかな?」
「そっか」
実彩子は、とは聞けなかった。
聞いたら、いけない気がした。
結局、実彩子とは殆どまともに会話もできないまま時間ばかりが過ぎていて。
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海(プロフ) - あいさん» こちらこそ再びコメントを頂けて嬉しいです♪ありがとうございます!少し書き溜めてからの公開を考えていますので、もう少しお待ちください。楽しみにして下さってる方がいる事が何よりの励みです!頑張ります!!これからもよろしくお願いします(^^) (2018年3月19日 23時) (レス) id: fc74eeea72 (このIDを非表示/違反報告)
海(プロフ) - まどれーぬさん» こんばんは!大変な時だというのに、わざわざありがとうございます(>_<)明日、普段通りの実力が出せますように…受験頑張ってください!!激励のコメントも、ありがとうございました! (2018年3月19日 23時) (レス) id: fc74eeea72 (このIDを非表示/違反報告)
まどれーぬ(プロフ) - こんばんは〜!明日受験があるのに気になって読ませていただきました〜!これからも頑張って!! (2018年3月19日 19時) (レス) id: 6ca81d105b (このIDを非表示/違反報告)
あい(プロフ) - 返信ありがとうございます(*´∇`*)2章楽しく読ませてもらいました(^o^)3章も楽しみにしてます(o≧▽゜)o頑張って下さい☆ (2018年3月19日 18時) (レス) id: 79d2b3f374 (このIDを非表示/違反報告)
海(プロフ) - あいさん» こんにちは、ありがとうございます!次回更新で2章完結予定ですので、暫くお待ちくださいませm(__)mこれからもよろしくお願いします(^^) (2018年3月18日 14時) (レス) id: fc74eeea72 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:海 | 作成日時:2018年2月18日 22時