43 ページ44
(you-side)
社長に作ったメモ書きを見てもらった時、言われたのは1つだけだった。
社「どんな空気の中でも、最後まで笑顔で観客から目をそらすな」
その時は深く考えずに頷いたけど、いざこの場に立った今なら、その意味がよくわかる。
きっと社長は全部わかってた。
私が生で見る観客に多少は怯むであろう事。
ステージから下りた時には、身体が震えてくる事。
だけど、社長の言葉はいつだって頭の片隅にある。
笑顔である。観客から目をそらさない。
プロとして当たり前の事を忘れずにいられたのは、社長のお蔭。
……ううん、それだけじゃない。
社長、友香里、おば様、陽斗、マネージャー、スタッフ、私を応援してくれるファンの子、目の前にいる観客達……そして側にいるメンバー。
何か1つでも欠けていたら、私は今ここに立っていなかったかもしれない。
運命って不思議で、巡り合わせの連続。
だけど何度分かれたって、私達は引き寄せられる。
それが運命なんだと思う。
よろしくお願いします、と笑顔で言い切れば、パチパチと疎らな拍手が聴こえてきた。
それは段々と大きくなってきて、「頑張れー!」と確かな声が届いてくる。
……私は、充分すぎるくらい幸せ者だ。
たとえどんなに私に対する批判の声が集まっても、何も恐れることはない。
その言葉は全部、私に関心を持ってくれてると信じれば良い。
あれだけ私にとって冷たく感じたファンの皆が、私の為に拍手をしてくれた。
それだけで、今までの全てが報われた気がして。
心の底から残りのライブを楽しめた。
そしてアンコールが始まって、あっという間に最後の曲になる。
初め、‘ハリケーン・リリ、ボストン・マリ’の予定だった最終曲。
だけど私の希望で、最後を変えさせてもらった。
宇「夕暮れ 自転車から見上げた空 君の街にもほら夜が降りる」
西「些細なツマヅキさえ心揺らす 君も僕も多分 似た者同士だね」
ミカンセイがいい。
そう言った私に、メンバーは笑って頷いてくれて。
439人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「オリジナル」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
海(プロフ) - あいさん» こちらこそ再びコメントを頂けて嬉しいです♪ありがとうございます!少し書き溜めてからの公開を考えていますので、もう少しお待ちください。楽しみにして下さってる方がいる事が何よりの励みです!頑張ります!!これからもよろしくお願いします(^^) (2018年3月19日 23時) (レス) id: fc74eeea72 (このIDを非表示/違反報告)
海(プロフ) - まどれーぬさん» こんばんは!大変な時だというのに、わざわざありがとうございます(>_<)明日、普段通りの実力が出せますように…受験頑張ってください!!激励のコメントも、ありがとうございました! (2018年3月19日 23時) (レス) id: fc74eeea72 (このIDを非表示/違反報告)
まどれーぬ(プロフ) - こんばんは〜!明日受験があるのに気になって読ませていただきました〜!これからも頑張って!! (2018年3月19日 19時) (レス) id: 6ca81d105b (このIDを非表示/違反報告)
あい(プロフ) - 返信ありがとうございます(*´∇`*)2章楽しく読ませてもらいました(^o^)3章も楽しみにしてます(o≧▽゜)o頑張って下さい☆ (2018年3月19日 18時) (レス) id: 79d2b3f374 (このIDを非表示/違反報告)
海(プロフ) - あいさん» こんにちは、ありがとうございます!次回更新で2章完結予定ですので、暫くお待ちくださいませm(__)mこれからもよろしくお願いします(^^) (2018年3月18日 14時) (レス) id: fc74eeea72 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:海 | 作成日時:2018年2月18日 22時