【進撃の巨人】すべて (ページ6)

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幸いにも私は船に乗れて壁内に逃げ込むことができた。私はそこで両親は亡くした設定で「A・セーラ」という咄嗟に思い浮かんだ偽名で生きていくことにした。

自分の歳は若返ったせいでよくわからないが、色々と考えて10歳ということにした。

ここには両親を亡くした子はたくさんいる。

それだけじゃない、両親を亡くした上に兄弟だって友人だって亡くした子もたくさんいる。

だから特に同情されるわけでもない。

私はあの惨劇で両親を亡くしたわけじゃないから心の奥で周りの子達に同情している。

私に残された選択肢はこのまま農村でずーっと働いて暮らすか、訓練兵になって修行を積むか。
周りは憲兵団になることを夢見て、訓練兵志望の子が多い。

まあ、そりゃそうだよね。

あと最悪なことに、
エレンとミカサとアルミンと関わりを持ってしまったのだ。

同じ開拓地に回されたということを知って避け続けてきたのだけど…たまたま壁外の話をしている所を聞いてしまい、彼らは「しまった」という顔で私を見たが、私は特に反応を示さないでおいた。

その行動がいけなかったようで、どうやらそれで気に入られたらしい。
なんでですか。

流石に話しかけられれば『A・セーラ』として話さなきゃいけない。

愛想いい笑顔を取り繕って、話す。

ミカサからはあんまり良く思われていなかったみたいだけど、次第に話していくうちに彼女にとって同年代の親友枠に入ったみたいだ。

流石にエレン、アルミンっていう家族枠には負けちゃうけど。

どこを気に入られたか分からないけど、私も彼女と話すときは楽しいと思ってしまっている。

漫画やアニメでは知れない幼少期の一面を見れちゃう特別感に浸っているのかもしれない、って言い聞かせる。