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私は彼女を信じて目を瞑った。
顔のすぐ横に風が走って、ドン、という音がする。
やっぱり、ユミルは優しい。
目を開けるとユミルの拳は私の顔のすぐ横の壁を殴っていた。
「…流石に全員とも全部とも言えないけど、過去も今も未来も分かってるんだよ。
知ってるんだよ。
ねえ、運命って信じる？
私がこの先の運命を知っているって言ったらどう思う？…なんて変なこと言ったね、ごめん」
嗚呼、何言ってんだ私。
「私は運命なんて信じない」
ミカサとユミルが重なった。
「ミカサと同じこと言うんだね、驚いた」
「アイツと同じかよ。
ふん…まあ、運命があるなんて決められた通りに動いてるみたいで気持ちわりいよ。
今私は生きている。お前は運命の通りにこの世界が、みんなが動くことを望んでのかよ」
アニメや漫画でみんなが死んでいく姿を思い浮かべた。
「…そんなの、そんなの、望んでないに決まってる」
ユミルも
マルコも
サシャも
ベルトルトも
アニも
ミーナも
トーマスも
ダズも
ナックも
ミリウスも
ハンネスさんも
ミケも
エルヴィンも
ナナバも
今までアニメや漫画で死んでいった人を全員助けたい。
誰も死なせたくない。
全部守りたい。
「じゃあ、お前はなにもしねえのかよ。
お前みたいに助ける力があるやつが儚い存在みたいで気に食わねえ。
儚いのはクリスタみたいな弱い奴の特権だ」
その言葉にハッとする。
「…泣いてんのか、お前」
ユミルのその言葉で、自分の目からたくさんの雫が溢れているのに気付いた。
「泣いてないよ」
「その顔を見て、泣いてないなんて言い訳通用するって思ってんのか」
「あはは…ありがとう、ユミル。
あなたのおかげでなんか吹っ切れた」
「…勝手に吹っ切れられてもなあ、こっちは納得してないことたくさんあんだけどまあ良いよ、悪かった。
痛くねえか？」
そう言ってユミルが私から離れようとした時、
「おい！何してんだよ！」
そんなエレンの声が聞こえた。
急いで私達は離れた。
「…え…A泣いてんのか？おい。ユミル、お前Aに何したんだよ！！」
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作者名：うみ | 作成日時：2018年8月14日 23時
