【進撃の巨人】すべて (ページ16)

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でもミカサの厳しい声はエレンを想う愛情によるものだと、アルミンと私は知っている。
だから私達は止めない。

「…でも、その覚悟の程は関係無い」

「は？何でだよ？言ってみろ」

「兵士になれるかどうか判断するのはエレンじゃないから…」

「う…」

エレンが何か言おうとしたとき、鐘の音が三つなる。

「私は…エレンだけ開拓地に戻れと言ってるんじゃない…」

「行こうぜアルミン」
「う、うん」

そう言って二人はミカサは話しているにも関わらず立ち上がって去る。ミカサは気づいていないみたいだけど。

アルミンはこちらを不安そうな顔で見ているので、ミカサの事は大丈夫だよと笑顔で合図した。

私のその顔を見て、頷いてエレンについて行くアルミン。

「その時は私も一緒に行くので…だから…そんなことは心配しなくていい」

恥ずかしげにエレンが座っていたところをミカサは見たがそこにはサシャがいた。

「ん？えーと？つまり？それもらってもいいってことですか？」

パンを指しながら言うサシャをミカサと一緒に無視して私はミカサに喋りかける。

「ミカサ、エレンとアルミンもう行っちゃったみたい。ミカサってエレンが好きなの？」
「当たり前…エレンを愛している」

「いや、そうじゃなくて恋愛的にみたいな」

つい気になっていたから聞いてしまった。

「？…違う、恋愛とかそんなのじゃない。エレンと私は家族」

あぁ、家族愛か。
なんだかエレミカを推していた私にとって悲しくなってしまう。

「そう、なんだ」
「Aはエレンのことが好きなんでしょう？あ、アルミンかもしれない」

「えっ…私はあの二人に恋愛感情とかないよ」

私の精神年齢で言えば六歳も下だよ。
十二歳の子供に恋愛感情はあまり抱けない。

なんでかミカサが悲しそうな顔をしたので、この話は終わらせて女子寮に戻った。