段ボール拾壱 ページ12
｢うっめえ...これもうめえ！！｣
｢キバナさん何食べて生きてきたんですか？｣
毎日私が作る料理を美味しいと褒めて食べてくれる。曰く私が来るまで買った物を食べる日と何も食べないで済ませる日で生きてきたらしい。それで筋肉ついてるとか世の男性は歯軋り案件だろう。
｢Aは料理上手いよな｣
｢そうですね、家事はこなせる方ですよ｣
黙々とご飯を食べながら頷くキバナさんにあれ何で私家事上手いんだろう？と自問してしまった。...本能が聞かないでくださいと言っているのでやめよう。
｢そういやタマゴの調子はどうだ？｣
｢滅茶苦茶順調ですよ。ヒビも入ってきてるし、多分今週中には産まれるんじゃないですかね｣
今は夜当番のヌメルゴンがタマゴを抱えて歩いている。みんな面倒見が良くて本当に助かりまくりだ。
｢しっかり働いてくれてるし、駄賃も弾まねえとな｣
｢やったあ！｣
お給料が貰える日は月末。あと一週間になる。初めて働いて貰えるお金に私は胸を弾ませた。
｢お給料貰ったらどうしようかな...貯金かな｣
ご飯を食べ終わったフライゴンが私に寄ってきて服の裾を食べようとしている。それはご飯じゃないよ。ソファに座っているとキバナさんが隣に来た。
｢A、服持ってねえよな｣
｢確かに...今もキバナさんのお下がり着てますからね｣
キバナさんの普段着のパーカーと丈の合わないズボンを着ているがこれでは外に出られない。頭のおかしな奴だと思われそうだ。マサルくんは引かなかったけど。
｢.....よし、じゃあ明日買いに行くか！｣
｢二人で？｣
｢そうだけど、何かあるか？｣
キョトンとした顔で尋ねてくるキバナさん。ありまくりだろう。もし勘違いでもされてみろ、木っ端微塵の地獄よりも酷い責苦を受けなければならなくなる(全私負担)。
私の表情で悟ったのかキバナさんは優しく笑って
｢ちゃんとマスコミにバレねえようにするし安心しろ｣
と言った。
は！？マスコミ！？違うよあんたのファンにだよ！！と思ったが顔面偏差値の強さに僅かにキュンときてしまった。
｢一生の不覚...！！！｣
胸の辺りの服をガシィッと掴んで奥歯を噛み締める。堕ちちゃダメだA..！相手は完全に女子を己のルックスで孕ませようとする男だぞ...！！！
｢なんか分かんねえけど決まりな！｣
私の服を虚ろな目でまだ食べ続けるフライゴン、動悸が収まらず胸を抑える私、ケラケラ笑うキバナさん。
完全にサイエンスルームと化していた。
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鶴丸 - 早く更新してくださぁぁぁい!!!早く続きが見たいです！ (2021年10月31日 6時) (
レス) @page19 id: c05427c036 (このIDを非表示/違反報告)
ゆきな(プロフ) - 夢主ちゃん…ポケモン持ってないと一人は危ないぞ…(そこなんだ…) (2020年6月28日 13時) (レス) id: e7791cc44f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：うみ | 作成日時：2020年4月4日 2時
