段ボール拾 ページ11
｢ココアだけど、どうぞ｣
｢あっありがとうございます！｣
椅子にちょこんと座るマサルくんに｢さっきはごめんね｣と謝ると｢こちらこそ｣と返された。あの後お互いにお互いを通報しかねなかったので家の主のキバナさんに電話して誤解は収束した。
｢私、ちょっと色々あってメディアとか一切見た事無かったんだよね。だからマサルくんの事全く知らなくて...チャンピオンなんだね｣
｢実はボク双子なんです。片割れもチャンピオンで普段は二人で闘ってるんですよ｣
にこやかな笑みを浮かべるマサルくんの顔には人の良さが滲み出ている。
｢Aさんは何のお仕事をされてるんですか？｣
｢ああ私？私はタマゴを孵化させる仕事とキバナさんのポケモン達のお世話、後は家事全般かな｣
｢あぁ...お疲れ様です...｣
家事と聞いてマサル君は呆れ顔で笑った。多分キバナさんのあの家事の出来なさを知っているんだろう。あれは壊滅的だ。
｢あの人パンツとか置きっぱだからね、恥じらいとか無いのかな｣
｢えっパンツまで！？それはちょっと...｣
家でのキバナさんの生活裏話を暴露していると段々マサルくんの顔が曇っていったのでいい所でやめた。キバナさんを見る目がそろそろ変わっていきそうだ。
ほぼ同年代の人間と話すのはほぼ初めてで花を咲かせていると
ぐいぐい、
｢ジュラルドン｣
静かにタマゴを撫でていたジュラルドンが私の服を引っ張った。どうしたんだろうと顔を見ると嬉しそうに手を叩く。
｢よーしジュラルドン遊ぼうか！｣
マサルくんが急に立ち上がり鞄から紫色のゴムボールを取りだした。え？顔描かれてるんだけど...
｢庭に行きましょう！これで遊ぶんですよ！｣
｢えっマサルくんそれ顔描かれてるよ？｣
｢ああこれですか？この人は前チャンピオンのダンデさんです！カレー百種類作ったら貰えるんです！変な音が鳴るから蹴るの楽しいんですよね〜｣
一人と一匹は庭に躍り出てキャッキャッとボールを蹴飛ばして遊んでいる。顔をプリントされた張本人はどういう気持ちでこの表情を選んだんだろうか。
｢Aさんも一緒に！｣
手招きされて私も仲間に混ざるとボールが飛んできた。軽く蹴って飛ばすと確かに変な音が鳴った、これは面白い。
｢ただいまーってお前ら何してんだよ...｣
｢あ、キバナさんおかえりなさい！｣｢おかえりなさい｣
結局夕方になるまで私達はダンデさんボールを蹴ったり叩いたりタコ殴りにしたりして遊んでいた。
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鶴丸 - 早く更新してくださぁぁぁい!!!早く続きが見たいです！ (2021年10月31日 6時) (
レス) @page19 id: c05427c036 (このIDを非表示/違反報告)
ゆきな(プロフ) - 夢主ちゃん…ポケモン持ってないと一人は危ないぞ…(そこなんだ…) (2020年6月28日 13時) (レス) id: e7791cc44f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：うみ | 作成日時：2020年4月4日 2時
