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中村くんばなさん風邪引いたって聞いた?
A聞きました!結構重症みたいで
中村くんそそ、それで俺たち今からお見舞い行くんだけど
中村くん小瀬さんも来なよ
疑問形じゃなくてほぼ命令形。行きたいのは山々だけど、さっきの矢花くんとの電話が頭に浮かんだ。矢花くんの遠慮を無下にして「来ちゃいました!」って・・・・・・なんだかなあ・・・・・・なんて思っていたら中村くんからまたLINEが来た。
中村くんどーせ風邪移しちゃうからとか言ってばなさん遠慮してたんでしょ?
中村くん健気だね〜
中村くん来れそうなら来てよ、5時に八王子駅集合ね
矢花くんの思考回路をバッチリ言い当てる文章に、思わず笑みがこぼれる。女王様みたいな人だと思っていたけど、ちゃんと周りの人の事を思ってる姿が垣間見えて中村くんの解像度が上がった。こんなこと絶対本人には言えないけど。
「中村くんからLINE来てた」
「あの嶺亜って人?」
「そう〜、お見舞い行くから一緒に来なよって。行ってもいいかなあ・・・・・・」
「私が風邪引いた立場だったら、好きな人来てくれたらめっちゃ元気出る!あ、でもすっぴんの顔むくみまくり熱顔見られるのは最悪だけど」
私が矢花くんの好きな人かどうかは分からないんだけどな〜!なんて思いながら取り敢えず『了解です』のスタンプを押しておいた。
*
「俺ばなさん家無いと思ってた」
「琳寧ずっと矢花が家無いと思ってるじゃん」
あのLINEから数時間経ち、無事皆と合流した私は矢花くんの家の前に来ていた。中村くんがインターホンを押すと、数秒経って「鍵空いてるよ」と矢花くんの声が聞こえた。
「お邪魔しまーす、ばなさん元気ー?」
皆ぞろぞろと入っていくので、私も後ろを着いていくように中に入った。何気に私、好きな人のお家に居るんだ・・・・・・。意識してしまった以上緊張が治まらない。玄関でつまずき、大光に笑われた。肩パンしながら奥に進むと、慌てた表情で矢花くんが部屋から出てきた。
「矢花くん!」
「小瀬さん・・・・・・!ごめんね来てもらっちゃってゲホッ」
「いや、ばなさん片付けたでしょこの感じ」
「やめてこんぴー!」
声がガスガスの矢花くんは、おでこに冷えピタを貼り付けてマスクをつけている。中村くんから私が来ることは伝えられていたらしい、嫌がられては無さそうで一先ず安心した。
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しあわせならあくしゅしよ(プロフ) - ☆さん» ( ; ; )ありがとうございます!お待たせしてしま申し訳ないです、書く気力がじわじわ戻りつつあるので最後まで楽しんでいただければと思います・・・・・・‼️ (11月1日 19時) (レス) id: 8632b5f5bd (このIDを非表示/違反報告)
☆(プロフ) - すごく好きなお話です!更新楽しみにしてます💖 (10月30日 2時) (レス) id: 576c521bf5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:うみ | 作成日時:2023年7月23日 21時